(中古)車を売却せよ! (16.07.2013)

車を買ったら、いつかは売却することになる。ところが売却は、購入よりも難しい。二束三文で売るならすぐに売れるが、市場価格で売ろうとすると、他に何百という中古車が市場にあるので、なかなか売れない。中には売れそうな車を見つけると2~3人で押しかけて、脅迫まがいの方法で値段を下げさせて、まんまと安い値段で車を買い取ると、車をすぐに転売することで生活している路上デイーラーがいる(主にトルコ人、アラブ人)。おまけに車を買うそぶりをして、何も知らない日本人をまんまと騙して車を騙し取ろうとする輩など、いかがわしい人物が鴨を探しているので、葱を背負って出向かないように注意が必要だ。そこで今回は典型的な車の販売方法、詐欺の方法などを紹介してみよう。

一番ストレスのない売却方法は、正規デイーラーに持っていくこと。欠点は、市場価格よりも20~30%ほど安い値段しかつかない事。「(中古)車を探せ!」で説明したとおり、デイーラーが車を販売する際は、19%の消費税を載せる必要がある(社用車として販売すればこの限りではない)ので、買値を叩かないと儲からないのだ。しかし手っ取り早く売れる利点もあるので、帰国前などに、「最後まで車が居る。」というケースでは、使えないわけではない。

時間がある場合は、自分で車の買い手を見つけよう。一番手っ取り早い方法はインターネット。Mobil.deautoscout24がドイツでは最大手なので、ここに車を売りに出すが一番効果的だ。以前は有料だったが、宣伝費でサイトを運営できるようになり、簡単な掲載は無料でできるようになった。もっとこれでは儲からないので、「有料サービス」を売り込むように画面が構成されている。まんまとこの手にひっかかれないように。個人の簡易な掲載は無料でできる。なれど、「一体、市場価格が幾らなのかわかりません。」という方もおられるに違いない。市場価格を見分けるのは実に簡単。上述のサイトで、自分の車と同程度の車を買う側になって探してみればいい。そうすればどのくらいの値段がついているのか、一目でわかる。

値段のつけ方は二通り。"Festpreis"(定額)と、"Verhandlungsbasis"(交渉可)通称、"VB"だ。もっとも「早く売りたいから。」と最初から寛大な割引をして、"Festpreis"で車を売りに出しても、ドイツ人(それにアラブ人、トルコ人)は、そこから20%くらい値切ってくる。だから"Festpreis"であっても、最初からあまり値引きをするのは禁物だ。適正な価格であれば、電話、あるいはメールで問い合わせが来る。こうした最初のコンタクトは通常、鴨を探している中古車のデイーラーから来る。当然、市場価格よりも20~30%安い値段を言ってくるので、無視してよい。消費者から電話やメールでの問い合わせがあった場合、間違いなく「どのくらい安くしてくれる。」という内容になる。電話での値段交渉は要注意。全く応じないと興味が薄れるし、あまり寛大な値段を言うと、「交渉すればもっと安くなる。」と相手にあまり現実的でない期待を与えることになる。実際の交渉でそれ以上値段が下がらないと、がっかりして契約に至ることはない。そこで電話では、ある程度割引する用意がある事を伝えるのみにしておこう。それでも「試乗してみたい。」という人が居たら、これは本気なので試乗に応じてあげよう。

すなわち、まずは買い手のい興味を引かないと何も始まらない。車を売りに出す前に、まずは車を洗車、青空をバックにいいカメラで写真を撮ろう。見合いと同じで、車の販売もまずは第一印象が大事だ。「(中古)車を探せ!」で説明したとおり、ドイツでは走行メーターを操作する人が多いので、"scheckheftgepflegt"と書くと、潜在的な買い手の不安を取り除くことができる。興味のある人が試乗に来たら、車の整備手帳、これがない場合は過去の請求書(請求書に整備時点での走行距離が打ち込まれているので、これも証明になる。)などの「証拠書類」を準備しておこう。試乗が終わると、「ここに(小さな)傷がある。」とか、「”Riemen"はいつ変えたか。」などと何かと理由をつけて、値段を下げようとしてくる。ここでのコツは相手に「安く買い物をした。」と感じさせることなので、顔の表情を曇らせて、嫌々ながら値引き交渉に対応してあげよう。大事なのは、「ここが最安値」という値段をあらかじめ決めて置いて、無茶な値段を言ってくる場合は、"Nein, Danke."と断る事。こうした試乗を3回、4回と繰り返しても一向に車が売れないと、「値段が高いのかな。」と不安になる。しかし、ここで妥協しないで1ヶ月、2ヶ月と辛抱していると、必ずこちらの売値を受け入れてくる人が出て来るので、あまりに早く値段を下げないようにしよう。

中には車を買う興味があるようにみせかけて、車の盗難に来る輩もいる。というのも、メルセデスやBMWの正規デイーラーに行って、「鍵が壊れちゃった。」と言えば、新しい鍵を購入できてしまう。あとは本当の鍵を手中にして、この鍵に記憶されているデータを手に入れた鍵にコピーするだけで、合鍵ができあがってしまう。試乗前は買う気満々だったのに、データをコピーしたら「ちょっと考えさせてくれ。」とコロリと態度が変わる。その後、鴨が買い物に行く際に尾行、無料駐車場に車を止めてスーパーに入って行くのを見届けてから、合鍵で車のロックを解除、あらかじめ手配している「整備工場」に車を持ち込む。ここでバラバラにされて中古部品として販売されるか、車両番号を削り落として東欧に輸出される。保険会社に、「車を盗まれちゃった。」と盗難保険の適用を申請しても、「車の鍵を渡したんじゃないですか。それは重大な過失なので、保険は効きません。」と言われて、泣きっ面に蜂。「鍵なんか渡していな~い!」と叫んでも、砂漠で唱える念仏のごとし。誰もこれを真面目に取ってくれない。そんな目に遭わないように、試乗の際はちゃんと横に乗って、鍵を使っておかしなことをしないように監視しておこう。

さて、値段で折り合いがついたら、売買契約となる。これは上述のサイトから無料でダウンロードできる。2部ダウンロードして印刷、サインして双方、1部つづこれを保管することになる。その後、車の代金のお支払いとなる。通常は現金支払いが一般的だ。代金をもらうと、"Fahrzeugbrief"を相手に渡して売却は完了する。もっとの中には、「今日は銀行に行く時間がなかったので、1000ユーロしか持って居ない。明日、残りを持ってきていいか。」などと言う輩もいる。「車は明日、残金を渡す際に渡してくれればいいから、保険加入に必要な"Fahrzeugbrief"のみ渡してくれ。」と言い出す。どんなことがあっても代金をもらっていない段階で、"Fahrzeugbrief"を渡してはならない。"Fahrzeugbrief"さえ手にしてしまえば、車の正当な所有権を主張できてしまう。あとは報酬を約束している悪徳弁護士を使って裁判所から強制取り押さえを認可させると、車を1000ユーロで手中にする事ができる。

本来は、車を売却する際はナンバープレートを外して交通局にこれを持って行き、登録解除を行う。この登録解除を行うと、税務署と保険会社に自動的にお知らせが行き、自動車税、自動車保険料などが自動的に返却される。この正規の方法の難点は、車の買い手が交通局に出向いて、車の一時登録をして仮ナンバーを申請、取得して車の引き取りに向かわなければならない点。交通局では2~3時間も待たされるので、これはとってもしんどい。そこで個人の売買では、「明日、明後日中に交通局で"Ummeldung"してください。」と相手に頼んで、自分の名前で登録されていたナンバーのまま車を譲渡する方法が一般的だ。この方法の欠点は、車の所有者が車の登録変更をする前にスピード違反などをやった場合、まだ登録上の所有者に違反キップが届くこと。ドイツの法律では、車の所有者ではなく、車を運転していた人物が罰金を払う義務がある。だから自分の写真(パスポートなど)を警察に送って事情を説明すれば、無罪になるが面倒/余計な作業である。又、購入者が登録変更をしてくればいと、自動車税、保険料が返還されないので、イライラする。こうした理由もあるので、信用のできそうな人物(あまり多くない)に車を売却しよう。


古典的な車の販売方法。時間はかかりますが、無料。思ったより効果があります。

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