理想の恋人を探せ! (06.01.2013)

あれよあれよという間に急増、ドイツで流行っているのが、パートナー仲介サイト(ドイツ語で"Partnerboerse")だ。最近では各社テレビで大々的に宣伝を行って会員を募っており、結構、いい商売になっているようだ。パートナー仲介というと、異性に受けない寂しいドイツ人男性がポーランドやウクライナなどの東欧で、あるいは東南アジアで若くて綺麗な女性を探すものばかりと思っていたが、どうもそうではないらしい。女性(特に中年、高年)が積極的にパートナー探しをする事により、市場の状況が変わってきた。

最近増えているのは、恋人探しの有料サイト。もっとも最初から「1ヶ月60ユーロです。」と正直に書くと客が寄ってこないので、「無料」という文字で客をおびき寄せる。高価なテレビの宣伝料を払っているサービスが、無料なわけないのだが、どうも消費者はそうは考えないようだ。実際に無料なのは登録だけ。登録すると夢にも思っていなかったパートナーのお勧めが届く。「コンタクトを取りたければ、有料会員登録してください。」というのが大方のケースだ。その料金は20ユーロ/月未満のものから、60ユーロを越えるものまでさまざま。通常は最低契約期間3ヶ月。期限が切れる1週間前までに書面で解約しなければ、自動的に3ヶ月延期される。大概の客は解約を忘れるので、少なくても半年の契約期間が期待できる。この商売がおいしいのは、一度十分な数の会員を集めてしまうと、もう何も投資しなくていい点。客が無料で登録するデータで商売しているので、元手も必要ない。

大事なのはデータの収集。そこで容姿端麗なモデルを使ってテレビ宣伝をする。これまでパートナーに恵まれていない人は、「こんな人が居るなら。」と勝手に誤解して登録する。登録後、とても魅了的なパートナーの紹介があると、「なんでもっと早く登録しなかったのか。」と後悔、「早く会員にならないと他の会員に取られちゃう。」と心配になってAGB(契約条件)も読まないで内容に了解してしまう。言うまでもないが、最初に届くのは"Lockangebot"だ。日本語で言えば、釣りに使うルアーに相当する。パートナー仲介サイトは、会員が長く有料会員である事が至上課題なので、誰かがコンタクトを取るまで放ったらかしにせず、会社がお抱えのモデルをルアーとして使用する。そんな事は知らない会員は、夢のようなパートナーと遭えて大喜び。針がついている餌を飲み込んでいる事にも気づかない。

こうした関係は、関係と呼べればだが、2~3ヶ月で終わる。ちょうど最初の会員期間が終わる頃だが、悲しみのため、解約の手紙を書き忘れる。あるいは、「もっといいパートナーに会えるかも?」という淡い期待があって、敢えて解約しない。すると案の定、また夢のようなパートナーからメールが届く。こうしてまた同じパターンで2~3ヵ月後に破局がやってくる。この辺でトリックに気づいてもよさそうだが、そうでもないらしい。1年以上も会員になっている人が結構居る。「恋は盲目」という言葉はあまりにも正しい。長い間会員費を払った挙句、「どうもおかしい。」とやっと何かがおかしいことに気づいてから、「キャンセルします。」という人も居るが、AGBに明記されている通りキャンセルはできない。欧州は契約社会である。一度契約してから、「ちょっと待った!」はできない。日本人は「客が望めばいつでもクリーンオフできる。」と思っている人が多いので、特に注意されたし。

折角、会員になったのに、恋人に巡り合えないで終わるのは運のいい方。こうしたサイトには、詐欺を目的で会員になっている人がいる。一人暮らしの中年女性に近づくと、熱烈求愛。滅多にそんな求愛を受けた事がない女性はコロリと騙される。ドイツ一の大金持ちの女性であるKlatten女史も見栄えのぱっとしないジゴロにコロリと騙されたくらいだから、中年女性はいい鴨らしい。バンコクでは、毎晩、中年男性が同じ手でコロリと騙されているので、ちょうどその逆パターンと考えれば分かり易い。ただし、「母親が入院した。」というタイ伝統の金のせびり方ではなく、「実は借金があって、、。」と相手の同情を買う方法だ。「必ず返すからお金を貸してくれないか。」と言われて、これを断れる女性は少ない。多くの中年男性が毎月、タイに海外送金をしているのと同じである。

あらためて言うまでもないが、本当に魅力的なパートナーは、女性であれ、男性であれ、インターネットで恋人探しをする必要がない。あまり期待をするべきではない。中には、「厳密は審査に合格したパートナーだけ。」なとど都合のいい売り文句を上げている会社があるが、厳密な審査基準とは往々にして年齢審査だけで、それも自己申告制、前科があるかどうかの審査もしないので、前述のような中年女性を狙った詐欺者が徘徊している。恋人紹介サイトではないが、ドイツで生活している日本人男性諸氏も注意されたし。時々、「アジアの男性大~い好き!」という困ったドイツ人女性がいる。何故困ったのかと言うと、ドイツ人には相手にされないようなタイプ。往々にして体重が3桁はあるお年上の女性である。時々、ストーカーに変身するので、興味のないドイツ人女性が接近を試みたら、はっきりと「興味なし。」と断言しよう。いい加減な態度を見せると、まずますつけ込んで来る。ここまで来たら魔法の3文字、"Ich bin schwul."を唱えるしか脱出できる方法はない。(間違った場所で使用するとさらに大きな問題になるので、ドイツでは本来は禁句です。)

「お金を払ってそんな具合じゃたまらない。」と、まずは無料の交友サイトに登録する事もできる。英語圏には幾つかこうしたサイトがあるので、日本語やドイツ語で登録するよりも会員の数が多くて、知り合いができる確立が高い。もっとも無料サイトには、詐欺を働く側にもお金ががかからないという利点があるので、こうしたサイトに登録して届くメールの多くは詐欺目的である事は言うまでもない。男性がこうしたサイトに登録すると、「私はものすごく魅力的な女性です。」と言う文句で始まるメールが届く。メールの送り主はアフリカや東欧が多い。相手が餌を喉の奥まで飲み込んで、少々引っ張っても外れる心配がなくなると、「会いに行きたいから、金を送れ。」と正体を明かすことになる。中には「幾らでもいいので、生活費を送って欲しい。」と相手の同情を買う方法もある。相手の銀行口座だけで、どこに住んでいるのかさせも知らない人物にどうして金を送る事ができるのか、不思議で仕方ない。長い間、異性と縁のない男性には免疫がなく、すぐに騙されるようだ。休暇、出張でタイに行き日本に帰国、しばらくすると、「私を覚えていますか。」というメールをもらった事がある男性が少なくない。どうしても思い出せないのに、メールの主に会いにタイまで出かけて行く人の多い事。どちらも、男性のナイーブさをうまく利用した詐欺の方法だ。

どんなにこの詐欺が効果的かと言えば、騙されて送金している本人に、「騙されているのがわかならないの?」と諭すと、「お前は彼女を知らないから、そんな事が言えるのだが。」とか、「他の女性は詐欺かもしれないが、彼女は違う。」という返事が返ってくる。中には、「彼女と会えるなら、騙されたって構いやしない。」と、手が付けられないケースまで。ひどい場合は、「いつまでの独り者で居ないで、俺みたいに可愛い彼女を見つけたらどうだ。」と(不)幸の仲間入りを要求される事もあり、諭すだけ無駄である。2年後には、彼女ばかりか財産までも失って、ガックリ肩を落としている。あまりにも可愛そうで、「だから言ったじゃないか。」という言葉が喉に詰まって出てこない。

念のために補足しておくと、交友サイトに登録すると必ず詐欺に会うというものではない。詐欺目的のコンタクトを見抜く事ができるなら、時間や手間がかからず、効果的に知り合いや運が良ければ恋人を見つける方法ではある。詐欺に遭ってからサイトの経営者を訴えても、勝ち目はないので、あらかじめ危険は承知の上で利用しよう。



ウケル写真で鴨を探す、
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詐欺団。
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