0190

ドイツで特殊な電話のサービスを受けたい場合は、0190を最初に回す場合が多い。こうした特殊サービスでは1分、2~3EURもの電話料金になる。電話会社は、この場合はドイツテレコムだが、「通話料金」だけでなく、こうした特殊な電話番号の設置料金でお金を儲けている。だから政府がこうした電話番号を悪用して市民に被害が起こらないように処置を取るように勧告しているが、一向にまじめに処置を取る傾向がない。

週末に会社に出勤してきた社員がこの番号を利用、月末に数万ユーロもの請求書が会社に届く事がある。もしくは家庭においても、子供が知らないでこうした番号を利用、月末に数千ユーロもの請求書が届くケースが後を絶たない。法律的に言えば、社員、もしくは子供がこれを勝手に(料金について知らずに)利用しても、電話回線を保有している個人、法人は請求額を支払う義務がある。だからドイツテレコムは、一向にこうした電話の悪用に処置を取るどころか、大いに特殊サービスの貸し出しを宣伝している。そして何もしらない個人、法人が被害に合うと、良心のかけらもないテレコムは支払いが2週間以内に行われないと、裁判所に訴える旨記述した手紙を弁護士を使って郵送する。勿論、この手紙には弁護士の手数料、99ユーロがさらに上乗せされている。普通の消費者はこの時点で、テレコムの脅迫に負けて払ってしまう。こうした災難から身を守る方法はひとつだけ。テレコムに電話して0190の電話番号使用を使用不可能にしてもらうのである。

これは実際にあったケースだが、あるドイツ人が月末にテレコムから何千ユーロという高額な請求書を受け取った。驚いてその詳細を見てみれば、なんと使用不可能であったはずの0190回線を使って、何者かが特殊サービスを利用していた。当然、テレコムは回線の保持者に料金の支払いを求めるが、回線の保持者は0190の回線の使用を停めていた事を理由に支払いを拒否。裁判の結果、0190の番号を停めていた被告の正当性が認められ、不当な電話代金を支払う必要がないと判決した。

編集後記
この特殊電話番号は2005年12月に廃止された。と言ってもなくなったわけではなく、電話番号が変わっただけ。以降は0900という番号になった。これに関連した面白い判例があるから、紹介しておこう。あるドイツ人がテレコムから「0900番号の使用料金」として987ユーロの請求書を受け取った。ところがそのドイツ人は、全くそんな番号を使った覚えがない。そこで支払いを拒否、テレコムは支払いを要求して、この哀れな消費者を電話代の支払いを要求して訴えた。裁判所は「料金を請求するならば、被告がどのようなサービスを利用したのか、そのサービスの内訳を明かすように。」とテレコムに要求した。しかしテレコムは、自分で発行した請求書を出すしかできなかった。この為裁判所は、「支払いを要求するサービスの内訳を明示できない場合、被告は支払いの必要なし。」と判決((Az. 9 C 143/11 vom 1. Februar 2012)、さらにテレコムにに全訴訟費用の支払いを命じた。

この判決に懲りて、また0900の番号は「詐欺」と国民に悪いイメージが定着してしまった為、ドイツ テレコムはこの番号の提供を2011年で中止した。現在では、幾つかのいかがわしい会社が0900の電話番号を提供しているに過ぎない。最近では、「100万ユーロが当たりました!この番号にお電話ください!」という手紙を送る詐欺が流行っている。被害者はお年よりが多いが、経験不足な若者でもこの詐欺にまんまと騙されて、「早く電話しなきゃ、100万ユーロ失くしちゃう!」と0900の番号に電話をするケースが後を絶たない。


電話一本で百万長者?人生、そんなに甘くありません。006.jpg
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