東西詐欺比べ (05.12.2008)

ここでは主にドイツで人気のある詐欺を紹介しているので、「ドイツは詐欺師ばっかり。」と思われるかもしれないが、詐欺の本場はアジアだ。日本も含めてアジアでの詐欺の数、種類はドイツの詐欺の比ではない。そこで、たまには趣向を変えて(?)アジアと西欧の詐欺を比較してみたい。

まずアジアの詐欺のクラッシック(典型的なもの)としては、トランプ詐欺があげられる。(例えば)タイの王宮前やエンポリウムを一人でうろついていると、「失礼ですが、あなたは日本人ですか。」と英語で尋ねられる。否定する理由もないので、「そうですよ。」と言うと、「実は、今度妹が日本に留学するので、日本についていろいろ調べているのですが、協力してもらえませんか。」とか、似たような話で相談を持ちかけられる。しばらく他愛のない話をしていると、「お礼に食事に来て下さい。」と言われて、これを承諾するとタクシーでバンコクの迷路をぐるぐる回って、郊外のアパートに連れ込まれる。自宅には自称、(以前はカジノで働いていたという)父親が待っていて、見事なカード裁きを披露してくれる。

飯をいただいてしまうと、親父から、「実はこれから鴨がカードをやりに来るので、一儲けするのを手伝ってもらえないだろうか。」と頼みごとをされる。「ただ飯をもらったし、お礼をしないと悪いかなあ。」と思う律儀な日本人の心理を利用した見事な作戦だ。そのうち、鴨が到着する。最初の数分間で数千ドルの金を失った鴨は、一回ですべての損失を取り戻す為に、最後の大勝負を挑む。すると、ここで親父はカードを細工して、鴨に勝たしてしまう。あるいは、鴨が大負けして「手元に現金はないかから、金は口座に振り込む。」と言ってその場を立ち去る。前者の場合は、すでに詐欺が成立して、親父の監視の下、銀行に連行されてクレジットカードから有り金すべて引き下ろされる。後者の場合は、「勝った金を引き下ろすのに、お金が必要だ。お金を引き下ろしたら、儲けを半分上げるから、今持っている金を貸してくれ。」という話になる。数千ドル、特には数万ドルが手に入るとなれば、もう頭は幸せ指数100で、まともな思考ができる状態ではなくなってる。そこで財布からありったけのお金を、所持金がないときは銀行に行ってATMから金を下ろして、親父に渡してしまうのだ。

その後、「明日にはお金を渡せるから、明日、ここで会おう。」と言われて、銀行前で別れることになる。勿論、その後、日本に留学するという妹、その姉、その親父に会うことは二度とない。又、観光客なので、一体何処へ連れられて行ったのかわからないから、警察に行って被害届けを出しても、詐欺師の住所、名前(どうせ偽名です。)などがわからないので、泣き寝入りになる。このトランプ詐欺は、アジア各地で(欧州でもあるらしい。)毎日被害者が出ており、この記事を読んでいる瞬間にも鴨になっている日本人観光客が要るほど、クラッシックな手法だ。

面白い事に、ドイツでも似たような詐欺がある。駅などで電車を待っているとドイツ人が寄ってきて、「荷物と財布を盗まれてしまって、家に買える金がない。家に着いたらお金を返すから、自宅までの電車代金を貸してもらえないだろうか。」と相談されて、しわくちゃに折り込まれた警察の盗難届けを証拠として提示される。これは大抵、麻薬中毒か浮浪者が使用する小銭を稼ぐ方法なので、トランプ詐欺ほど被害は大きくない。又、身なりがだらしないので、簡単にうさんくさいのがわかる。もっともデュッセルドルフには、この手で小銭を稼ぐ日本人が居た。(今でも居るかもしれない。)騙された本人は、皆から「それは詐欺よ。」と言われても、「ちゃんとお金が帰って来ると信じています。」と言い切るほど見事な演技ぶりだった(らしい)。

次にアジアで派手に活躍しているのがナイジェリア コネクションと呼ばれる詐欺団で、別名ブラック マネー詐欺団とも呼ばれている。詐欺の方法は、いつも同じでナイジェリアから大金を持ち出してきたという話から始まる。お金が盗まれないように、特赦な溶液で外見を変えており、これを使用できる元のお札にもどすのに、溶液を買う、あるいはこれを作るお金が必要だという。この費用を援助してくれたら、数万ドル報酬を払ってもいいという御伽噺。興味を見せると、この実演に郊外の「隠れ家」に連れて行かれ、実演を見せてもらえる。まずは黒山ような量の札束の中から、特赦溶液で変色した真っ黒いお札を1枚渡される。どうみても、触っても、本物のお札とは見えない。ところがこれに溶液をかけると間の前で100ドル札に変身するのだ。最初は信じていなくても、目の前で実演されてしまうと疑いが吹っ飛ぶケースがほとんど。おまけに、「この100ドル札を信用している証拠として貸すので、銀行で本物かどうか、確かめてきてもらいたい。」と言われる。早速、銀行でこのお金を換金すると、全く問題がない。「あの札束の量からすると、億単位の金だ。」と、大儲けに目がくらんでATMからありったけのお金を降ろして詐欺団へお金を渡してしまう。この実演の際に使ったお札だけが本物で、実演の前にすり替えた事は言うまでもないが、この詐欺にひっかかる人は数しれず。

このナイジェリア コネクション、実はドイツにもあります。ある日、自宅の郵便受けに、「大富豪の○○さんが死去。あなたが相続人として指定されています。ついては、○○法律事務所まで身分証明書を持参していただきたい。」という内容。この手紙をもらった本人は、親族にそんな大富豪はおらず、夢の中でさえこの大富豪に会ったことがないにも拘わらず、指定された街までのこのこと出かけて行く。(通常、隣国。)少し疑っていた人でも、これまでテレビでしか見たことがない高級ストレッチリムジンが空港(ホテル)まで出迎えに来ると、疑いは吹っ飛んでしまう。弁護士事務所では、これまで聞いた事がないような額面が遺産額として伝えられる。しかし、問題があると言う。遺産の相続人を探すのに2~3年かかったので、遺産を置いている口座の保持料金が不足してしまっているというのだ。これがないと、お金を引き降ろせないと言われるとこの幸せ者の相続人は、ドイツの親族に電話して弁護士の言う口座に数千ユーロ、時には数万ユーロも送金してしまう。億の金が手に入るのに、わずか数十万、数百万の金をけちる必要はないと言うわけだ。お金を送金して2~3日経っても弁護士から連絡がないので、事務所に出かけていくと、オフィスはもぬけの殻という具合。

規模(被害)はそれほど大きくなくても、休暇先の高級ホテルが信じられないくらい安く泊まれるとか、車が半額の値段で買えるとか、高級カメラが自称、在庫処分の為、安価で買えるとか、とにかく詐欺の分野は限りがない。しかし詐欺の手段はいつも同じで、何もしていないのに大金が手に入る話か、欲しいものが安く買えるという話のどちらか。そんな話を聞いて、すぐに宙に浮かないで、まずは、周りの友人に意見を聞いてください。他人の身の上に起こった話は、客観的に判断できるのものです。



アジアは、
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詐欺の、
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宝庫です。
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