ただより高いものはなし。 (12.02.2008)

「日本なら携帯電話が無料でもらえるんですよ!」と、ある日本人。数万もする電話を客に無料で配るのでは、商売にならない。安く買って、高く売るので商売になるのだ。携帯電話だろうが、食料品だろうが、航空チケットだろうが、同じ原理だ。無料でもらった筈の携帯電話の料金+儲けは、通話料金などに上乗せされて払うのは、契約を読まなくてもわかっていい筈だ。ところがどうもそうではないらしい。ドイツ人でも、「えっつ、無料でもらえるの?」と何も考えないで、注文をする人が居る。特に夜間になってテレビの放映時間が安く買える時間になると、携帯電話の(いかがわしい)販売番組が延々を流れている。

こうしたテレビでの携帯販売はよくて詐欺すれすれ、あるいは全くの詐欺。「携帯が無料!」というフレーズで客を釣っている。最近ではそれでは客がなかなか餌に寄って来ないので、餌引きとしてノートパソコンや原付まで携帯電話に付けて無料で進呈!という宣伝が出てきた。少しでも理性が残っていれば、携帯電話に加えて、ノートパソコンや原付を無料で配って商売として成り立つわけがない事に気づくだろう。しかし人生経験の少ない若者は、商売の仕組みなどには興味がなく、「無料」という言葉に惹かれて、まんまと餌に食いついてしまう。

販売(詐欺)の手口を紹介しておくと、携帯を「無料」でもらうと、さまざまな定期購読プログラムが強制的に含まれている。ドイツ人の大好きな受信音だとか、恋人探しだとか、職探しとか。おまけに携帯電話が2個「無料」で「もらえるの」で、こうの定期購読費用も2倍。おまけに24ヶ月契約で、キャンセル不可。24ヶ月が過ぎる頃には、携帯電話とノートパソコンを金を払って買ったよりも、はるかに大きな金額を払うことになる。日本でも「ただより高いものはなし。」と言う通りで、ドイツではこの諺はさらにその意味合いを増す。無料で商品(携帯電話)を配っては、商売は成り立たないという単純な規則を忘れないようにしよう。

「じゃ、お金を払って携帯電話を買えば安全?」かと思えば、必ずしもそうでもないのがドイツらしい。「あなたのことが好きです」とか、「私を覚えていますか。」というSMSが届き、ちゃっかり返信用の番号が書かれている。そんなSMSをもらうと、「一体、誰から?」と思うのが人間の心理だ。好奇心に負けて99%はその番号に電話をしてしまう。ところがなかなか相手に繋がらない。あちこちボタンを押すように指示があり、根気よく最後までたどり着くと携帯電話会社の宣伝で新しいサービスが開始されました!とか全くどうでもいい内容なのである。問題はその費用。これは1分が2~3ユーロもする有料番号で、電話を終えるまでにすでに4~6ユーロも通話料を引かれてしまっている。しかし、そんな事は月末に請求書が来るまでわからないから、携帯電話業者はこうしたSMSを毎日のように送りまくる。そして月末に請求書が届くと3~4桁(円でなかくユーロ)の請求額になっている。
 
もうひとつドイツで人気のある詐欺を紹介しておこう。応募したことがないのに、「おめでとうございます!」という手紙が届くことがある。興味を挽かれて封筒を開けてみれば、「賞金1万ユーロが当たりました!」と書かれてある。これを読むとすっかり有頂天になり、応募したことがない事実を忘れて、賞金の引渡し場所にノコノコと出かけて行く。

そこは家具の少ない、殺風景なオフィス。もっとも1万ユーロももらえるのだから、そんな些細な事には全く気を配らない。散々歓迎された後、「あたなの賞金は、この3つの封筒のうちのひとつに入っています。」と言われる。「封筒を選ぶには、300ユーロの手数料が必要です。」と言われれ、「あっれ?」と思うが、「1万ユーロもあるのに、300ユーロがなんだ。」とECカードでお金を払ってしまう。封筒を選んで、これを開封すると、中身は殻。「残念でした。でも、残るは2つだけ。50%の確立です」と言われ、また300ユーロ払ってしまう。封筒を選んで、これを開封すると、中身は殻。「残念でした。もう一回試してみますか。」と言われ、また300ユーロ払ってしまう。するとこの時点で封筒は、1つから3つに増えている。「そんなのひどい!」と抵抗しても、「1万ユーロ当たったのに、やかが300ユーロが何ですか。」と説得されてまた300ユーロ払ってしまう。延々とこれが繰り返されて、詐欺に気づく頃には口座は空になっている。

手口はちょっと違うが、アジアでベストセラーのトランプ詐欺に似ている。その他にも、「ケープタウンで亡くなった故人が遺産をあたなの名前で残しています。」という遺産詐欺、「トルコ1週間旅行がたったの99ユーロ!」という旅行詐欺、「タッパーをお友達に紹介してみませんか。」とタッパーの家宅販売業に説得、商品のタッパーを大量に買わせるタッパー詐欺など、詐欺者の想像力には感嘆するばかり。携帯電話のトリックも見破れないようでは、こうした詐欺に合う確立は高い。


「当たった」賞金のお知らせ。
030.jpg

スポンサーサイト

COMMENT 0