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ECカード詐欺

ドイツで店頭でのお買い物の支払いには、現金かカードを使うのが一般的。カードと行ってもクレジットカードではなく、利用しても(利用者に)手数料のからないECカードというものを支払いに使用する。これを持っていると(口座を開設すると自動的にもらえる。)ATMでお金が卸せるばかりではなく、欧州全域で手数料なしの支払いが可能なので、人気の支払い方法だ。もっともお金の集まる所には詐欺者も集まるもので、ECカードにまつわる詐欺が後を絶たない。

古典的な詐欺は、ATM機のカード差込口にデータの読み込み機を装着して、カードが押し込まれると、カードのデータを盗む方法。あとは小さなカメラを備え付けて、ピンを打つ場面を盗み取る。十分にデータが集まると、お金を卸すフリをしてカメラなどの装備品を回収する。あとはアジトに戻ってカードのコピーを作成、これでリミット一杯まで現金を引き卸すことができる。ただしこの詐欺には、まだ対処の仕方があった。ピンを打ち込む際に、操作画面を手で覆ってしまうと、カメラで暗証番号を打つ場面が撮影できないので、偽のカードを作っても、利用できなかった。この欠点を改善したのが、ECカードの支払いに使う端末機に細工をして、カードのデータを暗証番号ごと盗んでしまう方法だ。

その方法は意外と簡単。夜中にデパートなどに忍び込んで、端末機にチップを埋め込む。このチップには、端末機でスキャンされたカードのデータが記憶される。チップに十分なデータが記憶されたら、またデパートに忍び込んで、データで一杯のチップを取り外し、自宅でゆっくりチップを読み込んで、偽のカードを作成するわけだ。これはほぼ完璧な詐欺で、そのようなチップを埋め込まれた商店もまったく気づかないから、誰が犯人かわからない。ひどい場合には、店の主人が詐欺師とグルになって客のECカードのデータを盗んで、偽のカードを作成して現金を下ろしまくるケースもある。被害者が「おかしい」と気づく頃には、口座がリミットまで現金を引き下ろされて、後の祭りだ。
 
この巧妙なECカードを使った詐欺は欧州の詐欺のメッカ、スペインやイタリアが主流で、銀行、小売業界によるとまだドイツには達していないという。いつまでそのような幸運が続くかわかったものではない。勿論、毎回現金で買い物をすれば、このような詐欺に遭うケースは避けられるが、今度は現金を入った財布をすられてしまう危険性が増すので、絶対、安全という事はない。

現行のECカードの安全性の問題は随分前から銀行にわかっていたのだが、安全性の高いカードを作成して、これを顧客に郵送すると金がかかる。そこで、銀行は安全性が万全でないのを承知で、現行のECカードを使用している。銀行にしてみれば、「詐欺の被害者に(しぶしぶ)金を払う方が、新しいカードを導入するより断然安い。」という事らしい。しかし、銀行もEUからの圧力で、新しいECカードの採用を余儀なくなれており、一部の銀行では、データの盗難を防ぐチップを埋め込んだ新しいECカードをすでに顧客に渡しているケースもある。基本的には2008年を目処に大方の銀行は、ECカードをこの安全なECカードに変更する方針だ。

編集後記
最近は詐欺の手口が実に巧妙になった。カメラを備え付けないで、ピンを打ち込むキーボードを丸ごとコピーして、これを本物のキーボードの上に備え付ける。一分の隙もないような完璧な作りなので、「何かおかしい。」と気づくことはまずない。何も不振に思わず暗証番号を打ち込むと、キーボードの裏に備え付けてあるチップに暗証番号が記憶される。銀行員でさえ、被害が報告されるまで、詐欺に気がつかないほど、見事な作りだ。とは言っても、詐欺師は暗証番号の他にカードのデータを盗る必要があるので、カードの差込口に、何らかの操作をする必要がある。カードの差込口に何か細工がされていないか、カードを差し込む前によく観察してから、カードを入れるべし。


本物と区別ができない偽のキーボード。
注意して見ると、カードの差込口に細工がしているのがわかるが、これを視認できる人はまずいない。
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