インターネットバンキング

ドイツ銀行組合が出している統計によると、インターネットを使用するオンラインバンキングの使用率/普及率は44%。これには年金生活者も含まれているので、60歳未満の勤労者で見れば、軽く過半数を超えている。わざわざ銀行まで出て行かなくても、自宅で24時間、いつでも時間のあるときに送金が出来てしまうから、これほど便利なものはなく、これを利用する人が多いのももっともなこと。

お金の集まるところには、詐欺師も集まるので、新手の詐欺がまた流行ってきた。業者からメールのアドレスを買うと、詐欺師は銀行からのメールに見せかけてメールを送信する。「システムの故障の為、お客様のデータを確認しています。」などとメールに書かれている。こうして消費者を、あらかじめ用意しておいた偽物の銀行のホームエージに招き寄せ、口座番号や暗誦番号を盗み取るのである。「銀行はメールで口座番号などを尋ることはない。」という簡単な事実を忘れなければ、騙されない筈なのだが、それでも「コロリ」と騙される人が後を立たない。

しかしこれはまだ対処の方法がある。偽銀行からのメールを読まないで、消去すればいいのだ。そこで新手の詐欺は、さらに詐欺の方法に磨きをかけてきた。まずは通常のメールに見せかけて、トロイの木馬と呼ばれるウイルスを送りつける。通常なら、ウイルス感知ソフトに発見されるのだが、安物(無料)のウイルス感知ソフトは、ウイルスデータの更新が遅いから、発見されないでシステム内に侵入されてしまう。又、幾ら優秀なソフトを入れていても、まずは被害者が出てからプログラムが更新されて、ウイルス検知が可能になるので、完璧なチェックというものない。ウイルスに汚染されてしまう可能性は存在しているので、「絶対に安全。」と、安心しきってしまわない方がいい。

銀行側でもこれに対応して、「i-tan」、 「m-tan」、「smart-tan」などの対策を導入、「安全です。」と唄っている。銀行の宣伝をそのまま飲み込んで、「ING銀行のiTanは絶対に安全。」と誇っている人がいる。「携帯電話に送られてくるTAN(ピンのこと。)は、5分しか有効時間がないから安全です。」という言い分だが、口座からお金を卸すのに5分も要らない。パソコンにウイルスが侵入していると、何も知らない被害者がパソコン上で行っている操作は即座に詐欺師に送信されて、まるで自分のノートパソコンのように、操作内容が手に取るようにすべて見えてしまう。あとは絶対に安全なTANが打ち込まれるのを待つだけ。これが打ち込んで「OK」した瞬間、画面が詐欺師が用意していたアドレスに移動、消費者にはまるで送金が完了したように見える。あとは簡単。絶対に安全なTANを使用して、スペインやマン島などにある詐欺師の口座にお金を送金する。これには1分もあれば十分である。

しばらくして詐欺に気がついた時には、すでに時遅し。銀行に駆け込んで事情を話しても、「当行の送金システムは絶対に安全です。詐欺があったとしても銀行のシステムのせいではなく、暗証番号をぞんざいに扱ったお客様の責任です。」と全くとりつく暇もない。そんな目にも合わないように、パソコンのウイルスチェックはこまめに行なおう。できれば銀行送金専用のパソコンがあればいいが、そういう訳にはいかないだろうから、送金前には、一度、ウイルスチェックするくらいの慎重が必要かもしれない。

編集後記
「絶対に安全なi-Tan」を利用して送金、見事に金を盗まれたドイツ人が、「責任は銀行にある。」として、失った5000ユーロの補填を求めて銀行を裁判所に訴えた。2012年4月24日に最高裁判所で判決があり、「落ち度は明らかに客にある。」として原告の訴えを退けた。これによりこのドイツ人は5000ユーロを失っただけでなく、これまでの裁判費用も負担することになり、大金を失った。


「絶対に安全」なi-TAN
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