Ebay (17.02.2017)

ドイツで中古品を買う、あるいは売るとなると"Ebay"なしでは語れない。他のプラットフォームも存在しているが、Ebayに出品される品数、これを買い落とそうと入札してくれる人の数が圧倒的に多いので、「少しでも高く売りたい。」、あるいは「こんな物でも売れるの?」となると、必然的にEbayに出品することになる。日本で中古のニコンの一眼カメラの買取値段を聞くと、「9000円です。」とショックの値段。あまりに安いので、ドイツまで持ち帰って"Ebay"すると309ユーロで落札された。またあるときは休暇先でノートパソコンが、故障して作動しなくなった。「捨てて荷物を減らすか。」と思ったもの、わざわざドイツまで持ち帰って"Ebay"に「故障品につき部品取り用」として掲載。「1ユーロでも売れたら。」と思っていたのに、なんと150ユーロの値段で落札された。このように中古品を売却するには何かと便利だが、お金が動く場所には詐欺師も仕事をしているので、ここで売買をするには、詐欺から守る予防知識は欠かせない。

一言で"Ebay"と言っても、"Ebay"と"Ebay Kleinanzeige"の二種類がある。前者はご存知の通りのオークションのプラットフォームだ。後者はオークション式ではなく、売りたい側が希望価格を設定して販売する方式だ。(ドイツの)地方新聞に毎週掲載されている、「売ります。」という広告と基本的に同じだ。このプラットフォームはEbayの手数料がかからないで、ドイツ人はオークション式のEbayでEbayに払う手数料を嫌い、中古品を販売するプラットフォームには、この"Ebay Kleinanzeige"を好む。それに売却値段をコントールできる利点もある。そこでまずは"Ebay Kleinanzeige"について詳しく見てみよう。

オークション方式と違って、こちらのプラットフォームでは売り手が値段を決める。しかしドイツ人は中古品なのに、新品とほぼ変わらない値段、時には新品よりも高い値段を"VB"として値段を表示している。これは"Verhandlungsbasis"(交渉可能)という意味だが、中古品を新品の値段で売りに出しているドイツ人に、「○○ユーロではどうですか。」とメールを送っても、「この値段は侮辱している。」と憤慨して返事させ来ない。そのような品は売れないので、1ヶ月もするとドイツ人も適正価格を悟り、値段を下げてくる。"VB"の他にも"Festpreis"(固定価格)という値段表記の方法がある。値段交渉がわずらわしいので、目一杯安くして固定価格で出品しても、それでも値段交渉をしてくるのがドイツ人。欧州で一番のケチというのは、あながち誤りではない。そこで固定価格で出品する場合でも5~10ユーロの値段交渉に応じられるように値段をつけるのがコツだ。

"Ebay Kleinanzeige"の大きな欠点は、このプラットフォームは"Ebay"と違って、売買で発生するトラブルで責任を取らない事。結果として潜在的な購入希望者は売りに出されている品物が本当に書かれている通りか、品物を確認できる人間に限られてしまう。見たことのない中古品を、見たこともない第三者に送金して、期待した通りの品物が届くことを期待すれば話は別だが、期待は間違いなく裏切られてしまう。ドイツの民法では、個人間の売買では購買のキャンセル、保障要求は不可能なので、品物が届いてから、「キャンセルするので、代金を返してください。」という理屈は効かない。結果として"Ebay Kleinanzeige"では、潜在的な購入者の数が最初から限られてしまう。ケルン、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘンのような大都市ならそれでも十分な購入希望者が居るが、人口が20万程度になると、購入希望者を見つけるのが難しくなる。とは言え、ベットやキッチンなどの家財道具などは引越しで処分せざるを得ないから、結構、頻繁に出ており、探している人も意外と多い。新品で買ったものの、気に入らないマットレスを(安い値段で)掲載すると、数時間で複数の「買いたい。」メールが届き、翌日にはもう引き取りに来た。

品物代金の支払いに"Paypal"を提供して、"Ebay Kleinanzeige"に出品することもできる。上述の通りドイツの民法では個人間の売買ではキャンセルはできないが、例外もある。送られてきた品物が、品物の記述と異なる場合は購買契約を解約することができる。例えば「新品同様」と書かれていた品物を"Ebay Kleinanzeige"購入、届いた品がボロボロだった場合、"Paypal"に報告すればお金が戻ってくる。"Ebay Kleinanzeige"で品物を見ないで購入する場合、"Paypal"での支払いなら安心だ。キャンセル(返品)が難しいのは、「上品」と書かれていたのに、届いた品物が「ボロボロ」だった場合。というのも、「上品」が何を意味するのか、はっきりしないからだ。売り手には十分に「上品」なのに、買い手には、「ボロボロ」ということもあるので、このような抽象的な表現には注意しよう。ドイツ人が好んで使用する表現、"fast wie neu"は「ほぼ新品同然」という意味だが、問題は「ほぼ」という言葉にある。「ほぼ」がどれくらいの解釈の余地を許すか、これには大きな差があるので、あまり真に受けないほうがいい。逆に購入したい品物の綺麗な実物写真が上げられて、品物の具体的な描写が書かれていれば、その情報量が緻密であれば信用する第一歩になる。そのような記述がなく、写真も適当なもの、あるいは現物ではなく製造元のホームページからコピーしてきたもので、「個人間の売買なのでキャンセル不可。」とだけ書いている出品を見たら、「おお、お買い得!」と飛びつくのではなく、迂回すべきだ。

逆に"Ebay Kleinanzeige"に"Paypal"での支払い可能で出品する場合は、注意が必要だ。まず"Paypal"は保障料として10ユーロ程度の手数料を取るので、この値段を上乗せすることをお忘れなく。そして詐欺師は四六時中、"Paypal"での支払い可能という掲載を探している。詐欺師は売り手と"Paypal"での支払いに同意、ちゃんと同意した金額を"Paypal"で送金する。売り手には「入金されました。」とメールが届くので、品物を購入者に送付する。すると数日後、「上品と書かれていたのに、届いた品物はボロボロだったので売買契約を解約する。」というメールが届く。「そんな馬鹿な!」と思い、返品されてきた品を見てびっくり!送った上品ではなく、摺りかえられて本当にボロボロの品が返品されてくる。そう、詐欺師はあらかじめボロボロの品物をどこかで調達して、同じ品物が"Ebay Kleinanzeige"に掲載されるのをじっと待っている。あとは品物を購入、"Paypal"で支払い、「ボロボロの品が届いた。」と"Paypal"に写真付きで苦情をあげる。すると"Paypal"はこの非難が正当なものであるかどうかをチェックしないで、購入者に費用を返却してしまう。こうして詐欺師はまんまとボロボロの品物を、上品と交換することができる。

このような危険があるので、"Ebay"と"Ebay Kleinanzeige"で"Paypal"での支払いを提供しない人も多い。ただし"Paypal"での支払いが提供されていないと、購入希望者の心配を煽る。結果、入札してくれる人の数は圧倒的に少なく、落札される金額が"Paypal"を提供してる場合と比較して20%程度低くなる。そこで出品する品物の繊細な写真をいろんな角度から撮って、製造番号も忘れないように写真で撮っておく。詐欺師が、「品物の描写と違い、ボロボロだった。」とボロボロの品を返品してきたら、この傷物の製造番号と売却した品物の製造番号を比較して、証拠写真を撮ればいい。この写真と傷物を持って警察に行き、詐欺で被害届を出す。その後、"Paypal"に証拠写真と警察からもらった被害届のコピー送れば、詐欺師に返金されたお金が戻ってくる。品物に製造番号が記載されてない場合、どこかすぐに見えない場所に目印となる傷(刻印)を入れて、これを撮影してから品物を送るなど、あかかじめ自己防御を行っておくと、詐欺師に当たっても被害を最小限に留めることができる。

オークション方式の"Ebay"では、プラットフォームが責任を(ある程度)取ってくれるので、比較的安心できる。入札する値段も自分でコントロールできる。もっとも人気の品は入札する人が多い上、ドイツでは中古品は日本の倍以上の値段が付くので、滅多に安価に手に入れることができないのが難点だ。しかしこれは逆に言えば、売り手には都合がいい。小さな田舎町に住んでいるので、"Ebay Kleinanzeige"では売れる見込みのない品でも、"Ebay"なら売れてしまう。手数料が10%かかるが、利便さを考えれば許容範囲だろう。"Ebay"の一番の欠点は、偽物。ジーンズや靴、鞄、それに化粧品などは偽物の宝庫で、多くの品は自分で撮った写真ではなく、メーカーが宣伝用に撮った写真を勝手に流用している。このような方法自体、著作権の乱用なので、信用できる売り手ではない。メーカーがその気になれば売り手を著作権の侵害で訴えることができるので、そのような売り手は通常、外国に籍を置くケースが多い。

「偽物と知って注文しているのでかまいません。」と言われるかもしれないが、これが大きな間違い。例えば香港の売り手にハンドバック(偽物)を注文する。香港の売り手はそれでもちゃんと発送してくれるのだが、外国からの品は関税で止められる。「関税まで請求書を持って取りに来てください。」という手紙が届くので、関税まで取りに行くと、「ここで開封してください。」と要求される。関税職員は開封された品物が本物であるか、偽物であるかチェックする。偽物であると判断された場合、品は没収されて処分されてしまう。海外旅行をして偽物を購入、これをドイツまで持ち帰るのは、自分で使用する限りは認められているが、偽物の(個人)輸入は禁止されているからだ。このようなケースでは"Ebay"は購入金額の保証を謳っているが、そこでは世界的な大企業。何かと理由をつけて、保障を拒む。「税務署からの通知を証拠として送ってください。」というので、"Ebay"まで送ったのに、「届いていません。」と言い張り、一向に保障されない仕組みだ。結局、損害を蒙るのは偽物を購入した消費者になる。偽物とわかる品には手を出さないほうがいい。

"Ebay"の便利な点も補足しておこう。"Ebay"手数料は、アマゾンのマーケットプレースよりも安いので、同じ業者が同じ品を"Ebay"では安く提供しているケースもある。又、アマゾンのマーケットプレースは偽物の宝庫で、詐欺師がとても多い。メーカー品が安く提供されていると、ほぼ中国製の偽物。高級品が3~4割も安くなっており、「買う前にここに連絡して。」と書いてあると100%詐欺。何故かアマゾンはこうした詐欺を取り締まらず、詐欺師が数多く徘徊しているのでアマゾンのマーケットプレースは運試し。トラブルを避けたい方は、販売人がアマゾン、あるいは配送人はアマゾンであることを確認して注文しよう。
 

完売!
119.png


追記
大事な品の搬送について。ドイツでは"DPD", "Hermes"それに"DHL"等の配送業者があるが、"DPD"は本当に最悪なサービスを提供しているので、配送業者選びにはご注意アレ。値段的には最大手の"DHL"が一番高いが、一番信頼できる。郵便局で配達表に記入せず、自宅で記入、印刷すれば、2Kgまで4.99ユーロだ。この配送料には500ユーロまでの保険が含まれる。"Päckchen"で送ると安いが、オンライントラッキングが付かず、受取人のサインも不要、保険は50ユーロまでと、大きなリスクがある。友達などに送るならこの"Päckchen"でも大丈夫かもしれないが、客に送るには適していない。又、"Ebay"で落札した品を、紛失すること、壊れることなく、入札者に届ける義務は、品の販売者にある。稀に、「品がなくなっても責任は取らない。」などと書いた競売もある。そのような販売方法自体は法律違反なので、そんな競売には参加しないように。又、仮に送った品が途中で壊れた場合だが、"DHL"は高額な品の場合、保証を拒否することもある。「最初から壊れた品を入れたんでしょ。」という理屈だ。だから壊れる可能性のある品を送る場合、蓋をする前に品の入った箱の写真を証拠写真として撮っておくことをお忘れなく。
スポンサーサイト

COMMENT 0