Garantie und Gewehrleistung Nr.2 (17.09.2016)

以前、同じテーマで記事を書いたものの、「結局、何処が違うの?」という方が多いのが現実。これをはっきり区別できる体験をしたので、もう一度取り上げます。去年買った車、車体は"Nanoversiegelung"(ナノ コーテイング)されており、雨が降ると屋根やボンネットに丸い水溜りが出来る。車が汚れても、洗車して乾かすだけで結構、綺麗。ワックスかける手間が省けて重宝。とは言うものの、ワックスの輝きには及ばない。そこで天気もいいので、初のワックスがけ。すると始めて気が付くことが多いです。例えば「BMWの鼻」の上の部分、「ペコペコ」と凹みます。そう、プラスチック。昔は全部メタル。軽量化のため?昔は乾燥重量1670kg。今のタイプは乾燥重量が1785Kgと、軽量化の努力空しく、100Kg以上も重くなってる。ちなみにマツダ6の乾燥重量は1480Kgで、ほぼ300Kgも軽い。道理で燃費が良かったわけだ。

ワックスをふき取る際、後部のバンパーに装着されている"Parksensor"(駐車センサー)が、「ポロリ」とバンパーの中に落ちてしまう悲劇が。固定されておらず、はめてあっただけ。「これは揉めるぞ。」とすでにブル~。日本なら、「まだ保障もあるし、明きからに欠陥なのですぐに直してもらえる。」と心配する必要はない(筈)。しかしここはドイツ。そんなに簡単に話が運ぶなら、"Betonkopf"(コンクリート頭)というドイツ人の異名は生まれていない。BMWの支店に行くと、「これは"Karosserieschaden"(車体損傷)なので、保険の対象外。」とBMWのドイツ人。そら見ろ!そう言うだろうと思ってた。「ちゃんと車を見ろ、何処に傷がある?」「ちゃんと車を作っていないのが原因で、車体損傷とは関係ない。」と言うも、「これは"Karosserieschaden"(車体損傷)なので、保険の対象外。」とBMWのドイツ人。まさにコンクリート頭。しかし、「修理を頼んだら、いくらかかるの。」と聞くと相好を崩し、「バンパーを外して金具を取り替えるので、200ユーロ程度は見積もっておけ。」と修理担当のドイツ人。「高いから他で修理に出します。」と言うと、明きからに残念そう。

明きからに車の不具合なのに、自費で修理するのは納得できない。こういうことがあるので、ドイツでの生活には弁護士保険が欠かせない。早速、電話で相談。すると弁護士曰く、「メーカーが任意で提供している"Garantie"(保障)は、メーカーが保障内容(対象)を自由に決めることができる。往々にして、起こりやすい故障は除外されているので、メーカーが保障外といえば、おそらくその通りだ。」との事。100%正確なことは保障証を読む必要があるが、書面のチェックを弁護士に頼むと1時間200ユーロ。1時間で終わることは滅多になく、2~3時間なんてザラ。被害総額200ユーロ(BMWの言い値)で、そこまでするのは割に合わない。「ところで車の製造年はいつ。」と聞いてくる弁護士。「2012年です。」といえば、何かひらめいた様子。これまでの面倒そうな声から、うって変わって生き生きとした調子に一変。「それならチャンスがある。」と弁護士。氏曰く、「メーカーは売った車がちゃんと機能するように"gewährleisten"(保障する)義務がある。」「部品がボロボロと脱落するのは車の欠陥なので、メーカーを"gewährleisten"(保障する)で訴えれば勝てる。」とすっかり€を目に浮かべてやる気満々の弁護士。

念のためここで再度、説明しておこう。日本で言う"Garantie"(保障)は、ドイツではメーカー側の任意のサービスだ。その一方で、"Gewährleistung"は法律で決められている消費者の権利で、新品の製品には2年間の"Gewährleistung"が条件になっている。ただし購入後、6ヶ月目までに不備が見つかった場合は、売り手の費用で修理しなければならない。ただし例外もある。この不備は購入後に、買い手の不適切な使用で発生したと売り手が証明できる場合、売り手はこの義務から解放される。問題はこの6ヵ月を過ぎてから。この時点でも"Gewährleistung"は有効ではあるが、この保障を利用するには、製品の不備が購入の時点ですでに存在していたことを買い手が証明しなくてはらない。中古車の場合、デイーラーには1年間の"Gewährleistung"を行う義務がある。すなわち6ヶ月以上経っている(しかしまだ1年以内な)ので、こちらがこの落ち度が最初からあったことを証明しなくてはならない。具体的には鑑定士にバンパーを鑑定してもらい"gutachten"、その鑑定書"Gutachten"を根拠にBMWを"Gewährleistung"の義務で訴えれば、勝てるというわけだ。

弁護士保険で弁護士費用と裁判費用はカバーされるが、鑑定費用は含まれない。そしてこの鑑定費用は安くない。簡単な鑑定書でも100~200ユーロもする。早い話が、BMWを"Gewährleistung"で訴えれば勝てて気持ちがいいが、特をすることはない。これに費やされる時間と手間を考えると、割に合わない。弁護士にその旨伝えると、「では"Mediation"を試してみよう。」という。これは弁護士が争いの相手方と連絡を取り、法的な状況を説明、裁判所を通さずに和解でトラブルの解消を努める方法だ。関係者が直接、「言い合い」をする場合と異なり、弁護士が法的な根拠を挙げて説明すると、裁判になった場合には分が悪いことが相手に伝わる上、こちらが弁護士保険に入っているので、訴訟も辞さないことが伝わり、相手も聞き分けがよくなる。そこで車を買ったBMWの店頭名、販売人の名前、連絡先を伝えて、この"Mediation"で解決を図ることにした。

数日後、弁護士から連絡があり、「先方が話したいと言っている。」との事。電話するとBMW支店のセールス部長。同氏曰く、「暴力なくしてセンサーが外れることはない。車をぶつけたんじゃないか。」と案の定、客の責任にしてくる。BMWの弁護をすると、これはBMWに限ったことではない。ドイツ人はいつも決まって同じ反応をする。そこで証明の写真を送り、「どこに損傷があるか説明してくれ。」と言うと、「駐車センサーが簡単にポロリと落ちるようなことはない。」と回答を避ける。「ちゃんと取り付けていないから、簡単にポロリと落ちるんだよ。明きからに"Gewährleistung"の対象だろう。」というと、少し納得した様子。「車を持ってきてくれれば、無償で修理する。」と譲歩してきた。もっとも車は300kmも離れた町で買ったので、「はい、明日行きます。」というわけにもいかない。それに往復すると1日無駄になる。「こちらにあるBMWで修理させてくれ。」と言うも、それはできないという。BMWの支店と言え、これを経営しているのは個人で、BMWと契約して車を販売しているだけ。他の店で修理した修理費を持ちたくないというのは、理解できる。

「こちらのBMWで聞くと、バンパーを取り外して金具を交換すので200ユーロも修理費がかかるといっている。」と言うと、"Ach, Paparapa!"(意訳すると「そんなのは大嘘!」という意味。)とセールス部長。同氏曰く、「バンパーなんか取り外さなくても、車を"Hebelbühne"(修理台)に上げて下から腕を伸ばせばセンサーが拾えるから、接着剤をつけてはめるだけ。10分でできる。」との事。「それなら近くにある修理工場で修理させます。」と先方の申し出を断って、ジムの近くにあるトルコ人経営の修理工場に車を持ち込んだ。「BMWはバンパーを外さなくても、下からセンサーが拾えると言ってる。」と言うも、「本当にできるかどうか、やってみなくちゃ保障はできない。」という。2時間後、「どうだった。」と聞くと、「外さなくても修理できた。」との事。アウグスブルクのBMWの言う、「バンパーを外して、金具を交換して、、。」云々は、修理費を高くする目的の嘘です。BMWに修理に車を持ちこむ方は、用心されたし。「お幾ら?」と聞くと、「20ユーロくれたら嬉しい。」とトルコ人。20ユーロ札を出すと、彼のポケットに消えた。接着剤で取り付けるだけで20ユーロは高い気もするが、BMWに比べれば同じ作業が1/10のコストだ。

修理工場で順番を待っていると、「車からおかしな音がする。」と初老のドイツ人が相談に来た。症状を聞いたトルコ人曰く、「それはブレーキの錆だよ。」と言い、「車はVWでしょ。」という。「ゴルフだ。」とドイツ人。興味を持って話を聞いていると、「VWのブレーキは錆びる。」との事。一度錆び始めたら、錆びをとってもすぐに錆が戻ってくるので、取り替える以外に方法がないという。関係ないのに、「VWのブレーキってそんなに錆びるの?」と聞けば、「VW特有の病気。」との事。トヨタ同様に、コスト管理が厳しいVW。部品を届ける下請け会社に、「安くしろ」と圧力をかけているので、品質が下がっているようだ。BMWは平気で嘘をつくが、そこまではひどくない?

こういう話を書くと、「ドイツの車は客扱いがひどいから、日本の車にしよう!」と思われるかもしれない。しかしドイツ人が販売店を経営する限り、日本の車を買っても同じ体験をすることになる。マツダの新車でエンジンの損傷があったが、販売店は保障修理を拒否、ドイツのテレビで全国放映されていた。ドイツで生活するには、弁護士保険は欠かせない。プライベート、交通、賃貸関連をカバーする保険が年間で200~240ユーロ程度する。もっと安い保険もあるが、「困って電話しても通じない。」会社は安い。それでは役に立たないので、使える弁護士保険はその程度かかる。知り合いのドイツ人は、「雪かきをしていないので、お前の家の前で転んで怪我をした。」と訴えられて、裁判費用、弁護士費用で数万ユーロ払ったと言う。他の場所で転んでも、「お前の家の前で、、。」と責任を押し付けてくるのがドイツ。そんなときに助かるのが弁護士保険です。「弁護士保険の数百ユーロで済むなら安いものだ。」という彼自身、「要らない。」と数百ユーロを節約したばかりに、数万ユーロも払う結果になった。ドイツ生活の税金だと思って、加入しておきましょう。


BMW曰く、「修理代200ユーロ。」
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帰国。家具を捨てるにも結構な大金がかかるので、残った家具はモロッコ人に進呈することに。親族一族を連れてきたモロッコ人は、システムキッチンは言うに及ばず、壁に埋め込んだ棚、床のフローリングまで外してもって行った。業者に頼んで破棄してもらうと大金がかかるぞ!と心配していたので、一安心。そのモロッコ人、家財を外し終わるとポケットから携帯電話を出し、「日本に帰るのなら、日本の携帯電話が要るだろう。」とポケットからiphoneを取り出してきた。「俺には読めないが、Softbankと契約しているようだ。日本に帰れば使えるだろう。」と日本人から盗んだ携帯電話を販売してきた。「誰もかけてこないし、かける相手も居ないから携帯なんて邪魔になるだけ。」と断ると、とても残念そうな顔。

実際、「携帯を落としたようです。」と連絡をいただく事が多い。盗難の手口が見事なので、盗まれたことにさえ気がついていない。日本から来たばかりの日本人はスキだらけ。レストランなどで上着に貴重品を入れたまま椅子にかけていたり、鞄の外のポケットに携帯電話をいれている。これじゃ、「盗んでください。」と言っているようなもの。しかし、「そんな貴重品管理をしていると、盗まれますよ。」と言っても、相手の気分を害するだけで、盗難を妨げる手助けにはならない。そこで舌を噛んで我慢すると、早ければ1週間ほどで、「盗まれました。」とメールが届く。ブレーメンに出張に行った50代のドイツ人男性、1週間後に顔を合わせると、「携帯を盗まれた。」という。「契約がまだ1年以上残っているから、盗まれた携帯の料金を払わなきゃならないことに腹が立つ。」とご立腹。ドイツ人が盗まれるのだから、日本からきたばかりの日本人を責めるのは、可哀想。盗まれた携帯電話は上述のように仲間内で安く売買されるか、Ebayで安く提供されている。ドイツだけで年間350万台もの携帯が盗まれているので、警察もお手上げ。基本的に盗まれた携帯電話を取り戻すことは不可能だ。

基本的にということは、例外もあるということ。携帯の製造元などは盗難対策のアプリを用意しており、これがいかに効果的か宣伝しているが、SIMカードを入れ替えられてしまうと役に立たない。そこでドイツの会社がSIMカードを入れ替えても、携帯、タブレット、ノートパソコンを取り戻せるプログラムを開発した。どれだけこのプログラムが効果的か実践するために、テレビ局と一緒に携帯の盗難の瞬間から、携帯を取り戻すまで一部始終をカメラで撮影した。まずはデイスコでテーブルの上に携帯を置いて席を立つ。別の席からカメラで撮影していると、10数秒で携帯は盗まれてしまった。別の場面では駅のベンチに携帯を置き忘れたというシナリオ。偶然ベンチに座ったドイツ人は、携帯が置かれていることに気づくと、これをさっさと盗んで、暗闇に消えていった。果たして盗まれた携帯を取り戻すことができるのだろうか。

携帯を盗むと、これを販売してお金を稼ぐのが目的なので、「あっ。」という間に持ち主が変わる。この場合でも携帯を盗んだのは男性だったが、数時間後には女性が保有していた。ドイツ人は、「盗難品だと知らなかった。」と言い張るが、ちゃ~んと知っている。その証拠に盗難された携帯を購入すると、SIMカードをすぐに入れ替える。この時点で通常の盗難防止アプリは役立たずになるが、このプログラムはSIMカードを交換しても機能を続けるばかりか、新しいSIMカードが入れられると、新しい電話番号を通報してくれる。さらには窃盗犯に気づかれないように内蔵カメラで携帯の新しい所有者の撮影をして、写真を送ってくれる。あとはアプリが送ってくれる地図を目当てに所有者の住所まで出かけて、持ち主に電話する。持ち主が現れたら携帯が送ってきた写真を見せて、「直ちに携帯を返さないと警察に通常する。」と言えば、盗まれた携帯は2台共、見事に所有者に帰ってきた。このプログラムには盗まれた携帯に入っているデータを消す機能もついているので、「個人的な写真」が入ってきてもすぐに対処できるが、この機能は有償となる。有償といっても、毎月わずか5ドルと安価だ。無償版は使える機能が限られているが、無償版があること自体、素晴らしい。ドイツに留学される方は携帯にこのプログラムをインストール、使い方を勉強してから留学しよう。

携帯同様にドイツでよく盗まれるものと言えば自転車。中古の錆びた自転車でも鍵をかけていないと、あっという間に盗まれる。高級な自転車だと鍵をかけていても盗まれる。自転車を盗むには高価な道具は必要なく、鍵を切断する"Bolzenschneider"を買うだけ。これがわずか20ユーロで買え、600ユーロもする自転車を一台だけ盗んで半額で売っても、投資額の15倍も儲かるからだ。自転車の窃盗団は、空き巣と同じくドイツの隣国からやってくる。先日捕まった窃盗団はポーランドからの「旅団」で、120台もの自転車を盗んでいた。ドイツ人も平気で自転車を盗むし、難民もドイツ人同様に気軽に自転車を盗む。2014年の統計では34万台の自転車が盗まれたと報告があったが、犯人が見つかるケースは1割以下なので、盗まれた自転車はまず帰ってこないと覚悟しておいたほうがいい。ドイツで自転車に乗るなら、丈夫な鍵と盗難保険は欠かせない。

とお客さんに説明すると、「それは困ります。」とお客さん。なんでも日本からわざわざ愛車をドイツまで持ってくるという。「盗まれたら、金では代償できません。」と熱く語るのだが、私が盗むわけではないで言われも困っちゃう。そんな方には、自転車用のGPSをお勧めします。一見するとブレーキランプのように見えるこの端末は、GPSのトラッキング端末だ。自転車を止めて携帯などからこのトラッキングをオンにしておくと、勝手に自転車が動かされると持ち主にアラームが届く。さらに自転車の移動経路を地図で示してくれるので、自転車泥棒を追跡することができる。

ドイツのテレビ局がその効果を実験をするために、新品の自転車を500ユーロで購入、このGPS端末を設置した。カメラで監視されているテレビ局の自転車置き場に自転車を止めると、鍵をかけていたのに"Bolzenschneider"で鍵を切られて数時間で盗まれてしまった。すぐに自転車を追跡しては面白くないと、翌日になってから自転車を追跡して、犯人の居所を突き止めた。犯人に監視カメラの写真を見せつけると窃盗を白状、しかし「自転車はもう転売したのでもっていない。」という。「自転車の購入費用を払うから、警察には言わないでくれ。」と頼みだす泥棒は、翌日、本当に500ユーロを工面してきた。別の実験では、盗まれた自転車はわずか数日でウクライナの片田舎で使用されていた。そう、このGPSトラッキングは世界中で使用可能なのだ。この件でもテレビチームはウクライナに飛び、盗難自転車に乗っているウクライナ人にブレーキランプに見えるGPS端末をアプリで点灯させると、持ち主に自転車を即座に返却した。さもないと警察に通報されるからだ。

中古の携帯、自転車を購入される場合は、盗難品をつかまされないようにする注意が必要だ。「Wifiしか使えません。」なんて携帯電話はほぼ盗難品。盗難品を買って、「SIMカードを入れ替えたからもう足は付かない。」と思っていると甘い。知らないうちにあなたの顔が撮影されて、新しい番号と一緒に本当の所有者に通報されているかもしれない。警察がやってきて、「盗難とは知らなかった。」と言い訳しても、携帯は持ち主に返されてしまう。さらに盗難品と知って購入したとみなされて"Hehlerei"で告訴される。仮に「知らなかった。」と立派な演技をしても弁護士費用だけで数百ユーロ、盗難品を買うのは割に合わない。中古品を買う場合は、所有者が購入した請求書、あるいは購入の証拠を見せてもらい、請求書と一緒に買うか、無理な場合は請求書のコピーをもらうこと。請求書を持っていれば、まずは本当も持ち主だ。仮に盗難品であったとしてもこの請求書を警察に提示して、「請求書を見せられたので、持ち主だと思って買った。」と言えば、"Hehlerei"で告訴されることはない。尚、ドイツの法律では盗難品は正当な持ち主に返却される。これに不服な場合は、盗難品を売った相手に損害賠償を求める必要があるが、住所は偽りの住所、名前もありきたりの名前なので、相手を特定することはほとんどできない。盗難品を買って得をすることはないので、「知りませんでした。」という演技で切り抜けられると安易に考えないようにしよう。


danke schön.
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空き巣にご用心   (18.07.2016)

ドイツでは都市部での空き巣の増加が問題になっている。空き巣、ドイツ語では"Einbruch"といい、日本で言う侵入窃盗、侵入強盗に相当する。ただし空き巣の方が言葉が簡単なので、ここでは引き続き、空き巣という言葉を使用します。2015年の犯罪白書によると空き巣の数は前年比で10%上昇、15万件以上の被害報告があった。ドイツよりも人口の多い日本では年間9万件強。人口を無視してもドイツで発生する空き巣は日本の1.7倍。さらに日本では空き巣の検挙率は脅威の50%。しかし日本人は、「侵入窃盗では50%しか検挙されていません。」とこの検挙率に満足していない。ちなみにドイツの警察の侵入窃盗の検挙率はわずか15%で、気が遠くなるほどの低い検挙率だ。早い話、ドイツでは空き巣に遭う確立が高く、又、空き巣にやられても犯人が捕まる可能性はほぼない。これが原因でミュンヘンやベルリン、デユッセルドルフなどの大都市はいうに及ばず、アウグスブルクのような町でも、「警察に任せて置けない。」と"Bürgerwehr"(自警団)が結成され、町内をパトロールしている。しかしその警護団の実態はアクション(殴り合い)を探しているネオナチなどで、信用できる団体ではない。

人口別で見ると「空き巣率」のトップを飾るのはブレーメン、これにお金持ちのハンブルクが続き、ベルリンは三番目。空き巣というと夜に頻繁に起こりそうだが、22時~8時までの「空き巣の時間」に空き巣があったのは全体の15%に過ぎない。すなわち空き巣は、主に昼間に仕事をしている。空き巣の出勤時間は10時から。空き巣がピークを迎えるのは12時~14時で、15時を過ぎると圧倒的に少なくなる。理由は簡単。夜に仕事をすると人通りが少ないので、巡回中の警察の目に付きやすい。昼間は市民の数が多くて、群集に簡単に紛れ込んでしまえる。さらに仕事に出かけて留守の家が多く、空き巣にはうってつけの時間だ。そして空き巣も季節業で、うす暗くある秋から冬にかけて空き巣はピークを迎える。

「空き巣が増えている。」というと、「難民の仕業。」と邪推する方も多いが、空き巣の大部分はルーマニア、ブルガリア、アルバニアの窃盗大国からやってくる窃盗団の仕業だ。勿論、ここで紹介したマグレブ諸国からの難民、それに有名なポーランドの窃盗団も活躍しているが、圧倒的に大いのは南ヨーロッパからの窃盗団だ。EU統合により国境での検査がなくなり、窃盗団に理想的な環境を提供しているのが、空き巣増大の原因になっている。空き巣が好むのは、静かな場所にある一軒屋。見つかり難く、高価な"Beute"(獲物)が期待できる。その一方でアパートなども窃盗団の目標になっている。買い物に出かける際に窓を密閉せず、"gekippt"(斜めに開けて)の状態で出かける人が多いためだ。自宅に帰って換気する手間を省くために窓を半分開けていると、あとは針金で「あっ」という間に窓を開けることができる。買い物で自宅を出る際は、窓をしっかり鍵を閉めておこう。

又、空き巣というと自宅への侵入窃盗を想像するが、会社のオフィスや倉庫、工場へ侵入も多い。つい先日、数多くの倉庫を荒らしていた窃盗団が逮捕されたが、その手口は実に巧妙だった。仕事に使うバンを害虫駆除対策の車に塗装、終業後に堂々と工場や倉庫の前に車を止めて工場に侵入しても誰も不審に思わなかった。デユッセルドルフにある中小企業の日本企業のオフィスは、ほどんとが侵入窃盗を経験している。以前は、「窃盗に入っても盗むものがないと、設備品を壊していく。これを避けるため、ご褒美に200ユーロくらい包んで置いておくほうがいい。」などという冗談まで交わされていた。以前、勤めていた会社でも窃盗団に侵入された。鍵を「あっ!」という間に開けて侵入、金庫を溶接バーナーでカット、貴重品を盗んでいった。会社の上司が、「貴重品は帰宅する前に、ちゃんと金庫に入れておきなさい。」と口うるさいので、会社の経費で買った当時高価なデジタルカメラを金庫に入れていたので、これも盗まれてしまった。逆に自分のデジタルカメラは金庫にいれず、鍵もかけないで引き出しに入れていたが、無事だった。警察曰く、「入り口の鍵に傷がないので、合鍵を持っていたか、それとも慣れた窃盗団の仕業だ。」との事。鍵を閉めても、空き巣対策にはなりません。二度も空き巣にあってからやっと会社は重い腰を上げ、窃盗団にも見えるように警報機を設置、これでようやく空き巣被害が止まった。

警察は10年以上も前から自宅の玄関、窓には空き巣の侵入を困難にする技術上の対策を呼びかけている。お陰でそのような対策を施した窓、玄関が増え、2015年は空き巣の42%が未遂に終わっている。とは言えアパートを借りている身で、個人でそのような工事を施工するのは難しい。工事には大家の許可が要るし、費用も馬鹿にならないからだ。そんな場合は、古典的な方法が効果的。ご近所に「明日から1週間留守にします。」と伝えて、夜に留守なのに明かりがついていないかチェックしてもらおう。この方法で結構数多くの空き巣が捕まっている。ドイツ人にはアジア人の顔は「すべて同じ」に見えて、中国人、韓国人、日本人の見分けがつかないので、ご近所が顔を覚えるまで、付き合うことが欠かせない。愉快な検挙例もある。牧師の自宅に侵入しようとした空き巣は、健康保険のプラスチックカードで玄関の鍵を開けようとした。ところが間抜けなことにカードが割れてしまった。割れた半分、それも自分の名前が書かれた半分が、玄関の内側に落ちてしまった。この空き巣は翌日、牧師を尋ねる振りをして落としたカードの半分を回収しようとしたが、牧師が呼んだ警察に逮捕されてしまった。

空き巣件数の上昇に伴いドイツ政府もようやく事態を重く見て、毎年削減されていた警察の予算を増やして、警察官の数を増やす予定だ。内務大臣は、"Hilfspolizisten"(補佐警察官)を導入、正規の警察官ではなく、空き巣対策だけの訓練を受けた軽装備の警察を導入しようとしたが、警察、そして野党の非難にされされている。手抜きの訓練では空き巣が抵抗した際に役に立たず、補佐員が身の危険にさらされて警察を呼ぶことになるというもっともな意見だ。よく考えもせず、選挙民にアピールする目的だけで提案されたこの案が、実施される見込みはほとんどない。その一方で、警察内部ではようやくドイツ全土で空き巣の捜査をする特別班が構成されつつある。東欧からの窃盗団は空き巣をしながら常に移動するので、州の境界を越えた警察の連携を高めて、空き巣を検挙しようとする試みだ。また、警察も警戒の重点を空き巣警戒に移して、空き巣の仕事時間には頻繁に住宅街をパトロールしている。一度、夜に車に乗って出かけると、赤信号で横に止まったパトカーから警察官が身を乗り出すようにしてこちらを観察していた。ある時は警察がアパートの前でいかにも怪しい身なりの容疑者を見つけると職務質問、持参していた仕事道具を押収、身元確認するために署まで連行していった。一見すると素人にはどこが怪しいのかわからないが、警察には一目で空き巣を識別できるように訓練されている。

「お金よりも安全優先」という方なら、セキュリテイーの整ったアパートを借りることもできるが、そいう方は少数派だろう。そこで頼りになるのは警察のパトロールと近所付き合い(予防措置)、それに"Hausratversicherung"(事後措置)になる。この保険はすでにここで紹介したとおり家財や財産に掛ける保険で、空き巣被害の際は、被害を補償してくれる。ただし要注意。被保険者に"grober Fahrlässigkeit"があると、「空き巣の侵入を容易にした。」と判断されて保険の適用を拒否される。具体的に言えば窓をちゃんと閉めず斜めに開けた"gekippt"の状態で留守にして、空き巣にやられた場合。窓を斜めに空けて状態は、全開しているのと同じとみなされて保険は利かない。例えそれがバルコニーのドアでも。ドイツの玄関のドアは自動で閉まってしまうので、「鍵を回して施錠しなくても安全。」と思いがちだが、古いドアは上述の通りカードで簡単に開けることができる。出かける前にしっかり鍵を回して施錠しておかないと、保険が降りないケースもある。ところで安全なドアや窓のお陰で運よく空き巣は退治することができても、ドアや窓が壊された場合はどうすればいいのだろう?その場合は、大家が壊されたドアや窓を修理する義務がある。大家は賃貸人が住める環境を提供する義務があり、これが空き巣の仕業で不可能になってしまうと、大家は悪くないが、修繕をするのは大家の責任となる。日本人が賃貸人だと、大家は賃貸人の費用で治させようとするのでご注意あれ。



所持品をチェックして、
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署まで連行される。
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まだ中国の経済が毎年10%も成長していた頃、「危険は承知で中国の株に投資してみたい。」という方が多かった。当時はまだ外国人、それとも素人が中国本土の株を直接買うことは不可能で、銀行が出している証券に頼るしかなかった。銀行を信用したくない人、あるいは自分で銘柄を選びたい人は、ドイツで上場されている中国の会社に投資することもできた。問題は中国の会社の場合、ドイツの会社と違い、会社のバックグランドを批判的な目で調べることができないことだ。ドイツの会社ならググルだけで結構詳細な情報が得られるが、中国の会社となるとそうはいかない。そこで上場のパンフレットを読むのだが、そこにはいい事しか書かれていない。株式が上場されれば仲介する銀行は儲かるし、株式市場を経営している会社も儲かり、上場される株を保有している株主も儲かるからだ。上場のパンフレットを読むと、まるでまるで発見されていないダイヤの原石を見つけたような気持ちになる。もしこれを信じて投資した人が居たなら、思惑とは全く異なった結果になった。

例えばYoubisheng Green Paper。2011年に上場された際は、このダイヤの原石に投資家が殺到、6.5ユーロの初値をつけた。段ボール箱を生産しているこの会社は、毎年業績が悪化、最後には会社の持ち主が夜逃げした。以来、株式は30セントのあたりで横ばいを続けている。実に95%の損失だ。時々、40セントを越えたりする事があるので、ジャンク株に特化した投資家の遊び道具になっている。例えばZhongDe Wasteという会社。ごみ焼却場を経営している会社で、2007年に中国の会社としては始めて上場された。初値は26ユーロ。景気の波に乗って40ユーロまで上昇したが、景気後退に比例して業績が悪化。赤字経営のこの会社はまだ存在しているが、株式は1.5ユーロ付近で落ち着いた。実に94%の損失だ。例えばAsian Bamboo。中国で竹を生産している会社だ。竹は食材から建築資材まで実に幅広い用途をもった未来の資材としてほめられて、ドイツの有名な新聞社が「環境に優しい株」とまで褒め上げた。ところが会社は当初から業績が芳しくなく、東芝のように偽の数字を発表、これがばれると株式は43ユーロから10セントまで暴落した。実に99%を越える損出だ。

銀行やメデイアがダイヤの原石であるかのように褒め上げて、数年後には紙屑になる会社は、中国の会社だけではない。"German Pellets"と言う会社は、木材を加工する際に発生するゴミ、廃材を使ってペレットを生産する会社だ。これを暖房に使用すれば、燃焼の際に放出される二酸化炭素は木が成長の際に吸収した二酸化炭素と同じ量なので、「環境に優しい暖房材」として人気があった。「環境に優しい。」という言葉は、「福袋」という言葉が日本人に与えるインパクトと同じ影響をドイツ人に与える。デパートの福袋を買うために列を作るのが日本人なら、「環境を保護して、さらにお金まで儲かるなら、ウイン ウインの状況じゃないか。」とドイツ人はこれにとびつく。これに目をつけたこの会社は8%の配当金を約束して、ドイツ人から資本を集めまくった。集めた金の一部は本当にペレッツに投資された。すなわち他社が製造したペレッツを買い、これに同社の袋に詰め替えると、「世界で最大のペレッツ業者。」と宣伝した。こうして集めた金で海外で不動産を買うと名義を変更、あるいは第三者に売ると、その金を海外に秘匿した。

しかし個人投資家はこの会社が頻繁に流したテレビのコマ-シャルに影響を受けて、「8%の配当金を払うなんて、(長く)できるわけがない。」という堅実な批判に聞く耳を持たなかった。2016年、同社は支払い不能になり会社更生法の適用を申請した。これをうけて監査に派遣された会計士が会社の財産をチェックすると、会社の資産は5000ユーロしか残っていなかった。この会社が、「環境に優しい」という言葉で10万人を越える個人投資家から集めた金は2億500千万ユーロだ。この金の大半は会社の社長であるLeibold氏の海外資産と金を集めるための宣伝費用に消えた。「ちょっと待って。同じような話を以前も読んだぞ。」という方は、きっと騙されることがないだろう。そう、2014年にここで紹介したProkonと全く同じ手口だ。ドイツ人は「環境に優しい。」という言葉に弱い。まるで子供のようにナイーブなので、これを高配当を組み合わせれば投資してくれる。同じ手口の詐欺が登場するのは時間の問題、あるいはすでに存在している可能性が高い。4~5年後、ここで新しい逸話を紹介することになるだろう。

日本人はそこまでナイーブではないが、「儲かる話」という言葉にとりわけ弱い。「キャビア(チョウザメ)に投資しようと思うんですが。」という話を未だに聞く。ここで紹介した通り、Caviar Creatorという会社は「キャンビアに投資して高配当!」という文句で3400万ユーロもの金を素人投資家から集め、倒産した。2005年の話しだ。しかるに、「いや、前回とは違います、今度はうまく行きます。」と、それでも高配当を夢見る方が後を経たない。日本では「和牛」への投資でお金を失った件もあった。お金を捨てないなら構わないが、どうせ捨てるならキャビアか和牛を買って、思う存分食ってお金を使ってしまったほうがまだいい。5%を越える配当金を約束する会社を信用してはらない。これだけは肝に銘じておこう。「じゃ、5%以下の配当なら安心なんですか。」と言えば、そうでもない。投資である限り、危険はつき物だ。ただ3%程度の配当では金が集まらないので、詐欺として「商売」に成り難いいだけだ。

「じゃ、どこに投資すればいいんですが。」と嘆く方は、まずはドイツの企業、少なくともドイツのトップ30の企業について勉強することから始めよう。勉強もしないで、「うまい話」を聞いて投資すると、高い勉強代を払うことになる。ではまずは初歩の質問、株式価格で計算して、一番価値のあるドイツ企業は何処の会社かご存知だろうか。ドイツに長年在住している日本人に聞くと、「フォルクスワーゲンかメルセデス、それともジーメンスかな。」と3つも回答を挙げてくれるが、見事に外れ。2015年に「最も価値がある会社」の王座に君臨したのは"SAP"だ。かってドイツのIBMで働いていていたエンジニアが独立して作った企業ソフトの会社で、ドイツのサクセスストーリーのNr.1だ。皆まで言えば、「ザップ」ではなく、「エス アー ペー」と読む。ドイツで「最も価値がある会社」なのに、「名前も聞いたことがない。」という方はドイツでの投資は慎重に。上述のように何も知らない会社に投資して、うまくいったケースは少ない。

「旅行代理店で働いているのでルフトハンザに。」とか、「車が好きなのでBMWに。」という投資方法もよくやる間違いだ。企業の戦術上のポジション、その業種の将来性を無視して、「好きだから」、「知っているから。」という理由で投資してうまく行くのは当初だけ。いずれはサボった勉強代を払う日がやってくる。お金を失う危険を減少させるには、投資先を分散する事が不可欠だ。すなわち好きな銘柄に執着するのではなく、投資対象をドイツのトップ30の企業に絞ろう。ドイツのトップ30の企業は"Dax"に上場されており、毎年、(全体の合計で)配当金を増額しているので、危険が少なく、毎年、配当金を手に入れることができる。仮に株価が2008年の際のようにクラッシュしても"DAX"企業の平均配当率は3,2%"なので、口座にお金を置いておくより効率がいい。毎年、配当金をいただいて3年もまっていれば黒字になるから、売りたければそれから売ればいい。DAX ETF"はDAX企業にまとめて投資してくれる証券で、ETFなので手数料も安い。手数料は証券/銀行により異なるが、仮に10万ユーロの投資しても年間150ユーロ程度の手数料で済むので、「どの株にしようかな。」と悩む必要がない。逆に言えば、手数料が安いので銀行は儲からず、投資の相談に行っても薦められることはない。「でもドイツ銀行、RWEはDAX企業なのに配当金を払っていませんよ。」と言う方は、すでに十分に事前知識があるので、特定の銘柄に絞った投資に手を出してみてもいい。

2015年は中国経済に陰りが出てきたものの、ドイツの企業にとって、「企業史上最高の利益」を出した年だっだ。自動車関連、工作機械関連、工業施設関連の企業は株価最高値を記録した。2016年は多くの企業が前年比で売り上げ、経常利益の後退を予測している。すなわちドイツの車はまだよく売れているが、2015年の記録に到達するのは不可能なので、株価が上昇する可能性は低い。とりわけトラックを生産している会社は、トラック需要の低迷に悩まされることになる。さらに車業界が総じて排ガス操作に関わっている現状では、第二のVW、第二の三菱が出てくるのは時間の問題だ。ところが景気が悪くなると、企業は自動化に投資して、人件費を節約しようとする。この為、上述のSAPは2016年は前年度以上の売り上げを見込んでいる。あるいは医療、保険関係は景気後退に強い。景気が良かろうが、悪かろうが、事故や病気には関係ないからだ。同じ理由でテレコム関係も景気の波にさほど影響を受けない。景気の後退がしばらく続きそうな現状で、投資するならこうした景気の波に影響を受け難い株がいい。

めぼしい候補を幾つか見つけたら、辛抱強く待つ。毎年、株は大きく変動する時期(伝統的には5~10月)があるので、株価が軒並み価格を下げて、パニック売りが始まってから、ゆっくりと株を買おう。特定の株に1万ユーロ投資する予算なら、まずは3000ユーロだけ投資して様子を見る。最初の買値から15%以上下げたら、この底値でさらに3000ユーロ分買い足す。ところが、「今が底値だ!」と持っていたら、全然底値ではなく、さらに15%暴落することが結構ある。ここで残っている4000ユーロを投資して株の買値を下げる。ひどい場合はさらに20%下げることもあるが、通常は2回買い足せば、すなわち当初の買値から30%も落ちれば、ほぼ底値だ。あとはじっと辛抱するだけ。「株を買ったら睡眠薬を買って株を見るのを辞める。10年後にどれだけ資産が増えたか見ればいい。」という有名な台詞がある。株を買って半年で黒字で売却できると思っている人は、株式投資に向いていない。最悪の場合、10年程度は待つ覚悟が必要だ。10年前、SAPの株価は30ユーロ前後で、一向に上昇しなかった。結局、「この株は儲からない。」と2年ほどで黒字で売ってしまったが、今や株価は70ユーロ越え。航空機を製造しているエアバスの株価も10年前、A380のトラブル、インサイダー取引の問題を抱えて20ユーロを割ったので、「赤字になる前に!」と売却。すると今や60ユーロに迫る勢いだ。

「じゃ、10年待てばいいの?」言えば、そういうものではない。ここで何度も紹介しているドイツ銀行の株価は10年前、120ユーロに迫る勢いだった。今や13~15ユーロ付近をうろついており、改善の兆しがない。DAXに上場されている銘柄でも、10年待っても株価が回復するどころか、さらに低迷するケースもある。それでもお金を失なわない方法がある。それは赤字で売らないこと。「当たり前じゃん。」と思われるが、持ち株が20%暴落しても株を保有できる人は少ない。10年以上働いて貯めた金が、毎日数千ユーロの単位で減っていくのを見るのは辛い。大抵は我慢できずに売ってしまう。「今、赤字で売って、株価が落ちたら買いなおして赤字を取り戻す。」と言っているが、ほとんどのケースではさらに赤字を背負い込むことを恐れて、株を買い戻せず、結局、赤字を背負い込む。これが、「高値で買って、底値で売る。」素人投資家の典型的な例だ。株に投資するなら20~30%赤字になっても毎晩寝れるだけの神経の太さ、それに株が赤字になっているときに買い足して買値を下げる財源が欠かせない。株で儲けるには(誰も買わないパニック時に)安く買って、高く売る必要があることをお忘れなく。


"German Pellets"の社長。
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Germanなんたらという会社は怪しい会社が多いです。



歯科医治療  (18.05.2016)

日本で語られる「ドイツ伝説」のひとつに、「この治療はドイツでは国民健康保険治療の対象として認められています。」というものがある。通常は単なる誤謬。ひどい場合には、自身で施す、あるいは信じてる「治療法」の宣伝効果上げるため、調べもしないで「ドイツでは。」と主張している。日本で商品を売る際に、「ドイツ製」と書いて品物の高い値段を正当化するのと同じ。根拠のない主張なので、真に受けないほうがいい。

「ドイツでは(保険料を払っていると)診療費が無料なんです!」とまるで医療天国のように語られるが、一体、どのくらい保険料を払っているのかご存知だろうか。安い国民健康皆保険でも毎月390ユーロ、今の為替レートでも実に5万円の保険料だ。会社勤務の場合は、会社が半額(近く)払ってくれるが、3万円近くはお給料の中らから払わなければならない。自営業者の場合はこれが最低保険料だ。会社の売り上げに関係なく、全額自腹で払う。そんなに高い保険料を払っていれば、診察費は被保険者にとって、多くの場合では無料だ。しかしこれは医学的な根拠が証明されている治療法に限られる。医学的な根拠のない治療法、例えばホメオパテイーなどは、保険の対象にはならない。さらには医学的根拠があっても、「ろくに保険が効かない」分野がある。それが歯科治療だ。

歯科治療で国民健康皆保険で無料治療ができるのは虫歯治療くらい。虫歯を削った穴を埋める資材でさえも、一番安いアマルガンのみ、健康保険が治療費を持ってくれる。オリジナルの歯の色に合わせてその他資材を使っての治療は、自腹で払うことになる。小さな穴をプラスチックで埋めるだけで50ユーロから80ユーロもかかる。大きな穴、裂け目をセラミックで埋めると安くても360ユーロ(4万7千円)は覚悟しておく必要がある。穴が大きすぎて、「インレイでは無理」となると、"Krone"(日本語でクラウン、すなわち王冠)が必要になる。これはまだ残っている歯を削って(神経を抜き取り)、ここにまるで王冠にようにすっぽりかぶせ物をする治療法だ。「見栄えなんかどうでもいいです。」と言う場合は、金属製のかぶせ物になる。これであれば健康保険が治療費を持ってくれる(筈)。見栄えを考えて表面を細工("Verblendung")してもらうと、100ユーロほどが自腹になる。金属の感触が嫌でセラミック製のかぶせ物にすると、安い場合でも800ユーロもかかる。たかが一本で。保険はたったの40%しかもってくれないので、480ユーロは自腹となる。このクラウン治療が無理な場合は、インプラントが必要になり、安い場合でも1500ユーロは必要で、900ユーロは自腹となる。

すなわち歯科医での治療は、内科などの治療とは大きく異なり、基本的に"Privateversicherungspatient"(個人保険患者)扱いになる。わかりやすく言えば、医師が治療費を自由に決めることができるということだ。だから診療所によって値段が大きく異なる。間違っても、最初の診療所で言われた値段で治療を決定しては駄目。必ず別の医師に見てもらい、「他の診療所ではこれだけかかると言われた。」と説明して、比較見積もりを取ろう。医師も商売なので、必ず最初の診療所よりは安い値段を出してくる。最も効果的な方法は、医師からもらった見積もりをインターネットに上げて、他の歯科医から安い料金を募る方法だ。業界最大手のプラットフォームでは、歯科医が日々、仕事を求めて患者からの見積もりを探しているので競争が激しく、当初の診療所で言われた値段の半額以下で済む場合もある。会員の方は会員ページをご参照ください。

別の医師の見積もりを取る利点は、値段の他にもある。日本で歯科医に行くと、「これはどうですか。あるいはこちらは。」とまるでデパートのように次々と治療を売りつけてくるが、これはドイツも同じ。ドイツにも悪徳医師が居て、必要もないのに歯を抜いて、インプラントを入れようとする輩もいる。ネット上ではこうした悪徳医師にかかり、必要もないのに健康な歯を抜き取られ、役に立たないインプラント手術をされて人生を破壊された患者が助言を求めている。実際、ドイツの消費者団体が健康な歯を持つ大学生を幾つかの診療所に送って、診断させてみた。するとここはインレイが必要だとか、まるでバナナの叩き売りのように、必要のない治療を売りつけてくる歯科医で一杯だった。「治療の必要なし。」と正しく診断した医師は、わずか1名だけ。この現状見る限り、そのような良心的な歯科医に当たる確立はかなり低いといわざるを得ない。しかし患者には、なかなか真実がわからない。そこで高価な治療を進められたら、「考えてます。」とまずはその場で返事をすることを拒否、必ず第二の医師の判断を仰ぐようにしよう。どんなに信用している医師でも、盲目的に信用するととってこ痛い目に遭う確立が(ドイツでは)とても高い。

運よく、良心的な値段で治療をしてくれる歯科医が見つかっても、数百ユーロ、運が悪いと数千ユーロの自己負担は避けられない。そこで万が一の場合に備えて、"Zahnzusatzversicherung"(歯科追加保険)に入ることもできる。この保険は、インレイ、クラウン、インプラントなどの高価な治療が必要になった際、費用の一部をもってくれる保険だ。保険料は言うまでもなく、保険内容によって著しく異なる。保険料と保険内容を比較しようにも、同一の保険内容を提供している保険会社がないので比較がとても難しい。そこでまずは虫歯の予防措置(Zahnprophylaxe ツァーン プロフィラクセと読む。)も保険でカバーしてもらうか、それとも「大事になった場合」、すなわちクラウンなどが必要になった場合だけに使える保険にするか、決めよう。簡単な歯石を取るだけなら国民健康保険がカバーしてくれるが、高度な歯石除去などは保険の対象外になる。歯科医は好んでそのような予防措置に100ユーロ、あるいはもっと高い治療費を要求しているので、これも保険に含めるとこの予防措置だけで、10ユーロ/月も保険料が上昇する。しかし毎月、予防措置に10ユーロ以上も保険料を払うなら、歯石除去を自費で行うのと変わらない。だからこの予防措置保険は、保険会社にはおいしいが、非保険者にはあまり価値がない。そこで中には、「予防措置も保険に入ると、メガネを更新した際に補助金も出ます。」などと、歯科治療に関係のない保障を提供している場合もある。「それは嬉しい。」と思うかもしれないが、保険内容は膨らむに比例して、保険料が上昇することも忘れないように。日本ではめがねは破格の安い値段で買える今、そのような余計な保障は必要ない。

そこで高価な歯科治療費だけに絞って歯科追加保険を比較してみると、10ユーロ/月程度から50ユーロ/月と結構な差がある。言うまでも無く、保険料が高いほど、「いざ、鎌倉!」となった際の、自己負担率が低い。10ユーロ程度の保険では30%の治療費を持ってくれるという。健康保険とあわせれば70%。これで十分な気がする。何故か、オンラインでは加入できない。加入するには、「最寄の支店まで。」というので、アポイントを取って話を聞きに行ってみた。すると、「この安い保険はあまり役に立ちません!」と言う。「国民健康保険は30%しかもってくれないので、保険が30%持っても、残り40%は自腹になります!」という。おかしい。この前までは健康保険が持ってくれるのは40%だった。ドイツに少し居ない間に、変わったのだろうか?さらに、「インプラントになる場合、"Wurzelbehandlung"が必要になるが、往々にして保険はこの費用を持たないので、とても高くなる!」と脅してくる。結局、10ユーロ程度の安い保険ではなく、安心セットとして40ユーロの保険を勧められた。

ドイツ生活が長くなると、ドイツ人を信用しなくなる。とりわけ銀行員、保険の勧誘員などは、「金のためなら両親でも平気で騙す」ので、全然信用できない。自分で健康保険に問い合わせみると、保険は昔と変わらず、40%もってくれるという。そしてボーナス手帳にちゃんと5年間抜けなく記載があれば、さらに10%もってくれる。健康保険が50%持ってくれれば、あとは30%持ってくれる保険に加入すれば、自腹の支払は20%で済む。これならお財布はそれほど傷まない。そこで30%程度保険が持ってくれるという条件で、インターネットネットで検索するがこれが結構、難しい。「お、これは保険料が10ユーロ。安いぞ!」と保険内容を読んでみると、"70 % der Gesamtkosten inkl. GKV-Vorleistung"などと書かれており、まるで暗号だ。"GKV-Vorleistung"など、ドイツ人だってわからない。一体、どれだけの外国人が理解できるだろう。"GKV-Vorleistung"は、「健康保険が持ってくれる率」と言う意味で、合計70%なので、この保険は30%だけ支払うという意味だ。もっともその後に、「最初の1年は180ユーロまでしか保障されない。」とある。2年目で360ユーロまで。4年後でやっと上限は720ユーロまで。最初の2年の保障金額が低く、この期間中にクラウンが必要になったらあまり役に立たない。保険料も低いので仕方ないか?もう少し保障金額が高い保険だと、保障金額の上限は最初の1年で400ユーロ、2年目で800ユーロまで。これだけあればクラウンが必要になっても、上限を心配しなくて済みそうだ。ただし保険料は10ユーロでは済ます、16ユーロ。

長く考えた末に、「保険料が高ければ、それだけ補償範囲が広い。」という事なので、一番安い保険は避けて16ユーロ程度の保険にした。最初の年の補償額が高かったのが、決め手になった。尚、「歯が痛くなってから、歯科追加保険に入ればいいや。」と考える方がいるかもしれないが、これは不可能だ。保険屋は保険料を払ったものの、保険を使用しない人の保険料で会社を運営している。保険を使うことがわかっている人に保険を提供したのでは、全くの赤字だ。これを避けるため、歯科追加保険はまだ歯に問題なく、かつ、欠けている歯がない人だけ加入できる。「オンラインだから、黙って加入すればわからない。」と思ったら、甘い。保険加入後、翌月にクラウンを入れようものなら、保険屋の調査が入り、往々にして保険料の支払いを拒否される。あるいは最初の3ヶ月は待機期間として、保険に加入しても保険が使えない保険もある。ドイツに長く住む方は、一番安い保険でいいから、早めに歯科追加保険に加入しておいた方がいい。まだ30代なら保険料はさらに安く7ユーロ/月で済むからだ。会員の方は、会員ページで安い歯科追加保険を紹介しているので、ご参照ください。


ドイツに住み始めたら、すぐにボーナス手帳!
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