懸賞金&カード詐欺 (17.10.2017)

ドイツにお住まいの方には銀行から、「新しいカードを発行します。」という手紙が届いた(く)筈だ。そこには「新しいカードには無線機能が付きます。」と書かれている。この機能を付ければ店舗で支払いの際にカードを差し込まなくても、端末の上にかざすだけでいい。お財布の中身次第だが、カードを取り出さなくてもカードのデータが読み込まれるので、お財布を端末の上にかざすだけでいい。「この無線機能付きのカードを希望される場合は、○○ユーロかかります。」と手紙に書かれている。

「これは便利!」と無線付きのカードを希望する人が少なくないが、この無線カードは危険が伴う。カードがデータを発信しているので、泥棒はお財布を盗まなくても、端末を上にかざすだけでカードの情報が読みこめてしまう。エレベーターや電車の中、自然に被害者に近づく機会を利用、カードを読み込む端末を鞄を何も知らない被害者のポケットやハンドバックの近くに寄せるだけでいい。あとは端末がカードの情報を読んでくれる。これほど簡単な盗難方法はない。銀行から無線機能付きのカードの案内が来たら、無線機能のついていないカードを選択しよう。そのようなチャンスがなく、無線つきのカードに変えられてしまった場合、幼稚な手段だがアルミホイールで包むなどの防御手段しかない。銀行が便利さを最優先したために、安全性がおざなりになったいい例だ。
           
次に紹介するのは、「よく考えたなあ。」と感心させるカード詐欺。ネットであちこち検索していると、「おめでとうございます!あなたは○○が当たりました!」という「モロに詐欺じゃん。」というメッセージが出る。普通の人は免疫があるが、「下手な鉄砲、数打ちゃ当たる。」で、こうした手口に全く免疫のない人もいる。免疫のある人でも自宅の郵便受けに、「おめでとうございます。あなたには○○が当たりました。」という手紙が入っている立派な封筒が届くこともある。日本人は幸いドイツ語ができないので詐欺にはかかり難いが、「これは何でしょうか。何かもらえるんでしょうか。」と詐欺の手紙をわざわざ会社まで送ってくれる方も居る。「ただで何かもらえる!」と思っちゃう方、ただでもらえるのは病気くらいです。

今、電話口で、「いい話がありますよ。」と懸賞金を餌にクレジットカードに申し込みさせる詐欺が流行ってる。勿論、カード申請にはお金がかかることは一切言わない。大体、電話セールス自体が違法なのだから、電話セールスなんか話を聞いては駄目。それでも話を聞いてしまい。「ひょっとしたら本当に何かもらえるかも。」と懸賞金に申し込みしてしまう。数日後、"Veri Pay という会社が発行のクレジットカードと一緒に請求書が届く。ほとんどの被害者は、「クレジットカードのなんか申し込んでない。」と返信するが、返事は返ってこない。数週間後、デユッセルドルフにある借金取立て会社、"Euro Collect"から当初の請求額の3倍もの請求書が届く。「景品に応募したので、カードなんか頼んでない。」と返信するが無しのつぶて。返事は返ってこない。数週間後、同じ会社からから当初の請求額の5倍もの請求書が届く。こうして請求額が面白いように上昇していく。

同様の被害にあって「ドイツに詳しい。」という日本人に相談すると、「そんな根拠のない請求は放っておけばいい。」という親切心から出た、しかし全く役に立たないどころか、危険なアドバイスをいただくので要注意。根拠のない請求書でも、これに対して異議をあげなければ正当な要求に早変わりします。

カードと請求書が届いた場合、がっかりしないでっすぐに机に向かって手紙を書き、この申し込みを解約する。消費者団体が解約の手紙の見本を提供している。あとはこの手紙を書留で送り、ちゃんと相手に届いた証拠を保管しておく。普通はこの手紙を送ればトラブルは解決する。手紙を書留で送ったにもかかわらず、要求が相変わらず届く場合は、消費者団体か弁護士に相談しよう。不当な要求でもこれに対処しないと正当な要求に変わることをお忘れなく。

ドイツでは消費者の権利がかっちり守られており、セールス電話は禁止されている。勿論、「セールス電話です。」と言わず、「おめでとうございます!」とまるで何かに当たったような言い方をする。しかし何にも応募していないのに、何かに当たることはない。「おいしい話なの?」と色気を出さず、すぐに電話は切るように。ドイツには怪しげな保険を勧誘してくる日本人詐欺師までいる。「ドイツ公認の」という言葉地は注意されたし。ドイツが保険を公認することはありません。これは自社で発案した資格です。その他には「ピンポ~ン詐欺」があり、玄関先まで詐欺師がやってくる。救急車の乗員の服装で募金をせびる詐欺、「この地区はテレコムが回線を売却したので、新しい契約が必要になる。」というインターネット契約詐欺。誰かわらない人、頼んでもない用件でやってくる人には、ドアを開けないように!


カードは無線機能なしをお勧めします。
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癌細胞 vs. T-Zellen (18.09.2017)

今回のテーマは医療。まずは癌治療から。先月、米国でセンセーショナルな癌の治療薬(方法)が、臨床実験で大きな効果を挙げたことが報道された。その効果があまりに顕著なため、米国では薬の認可がすでに下りてしまったほどだ。この治療は"Gentherapie"(遺伝子治療)の一種で、過去20年以上に渡って研究されてきた。かって韓国でこの遺伝子治療を使って癌を治せると医師が大法螺をふいたことがある。目的はお金。高価な治療費を払ってでも癌を治したいと、世界中から癌患者がソウルに飛んだ。数年後、医師はこの治療がでたらめだったことを認めたが、その頃にはすべての患者が死去していた。ドイツでも、「癌を自然治療で治します。」と唱えるグールーがいる。往々にして癌患者の家族はこうした呪い師を現代医学よりも信用、患者は「自然治療のお陰で癌が治りました。」と宣伝用ポーズを取っているが、半年後には死去。家族は大金を役に立たない治療に払わされている。どんなにかすかな希望にでもすがりたい患者とその家族の心境を利用した、あくどい商法だ。

ただ今回ばかりは嘘ではないようだ。簡単に言うと、人間が備えている自然治癒力を遺伝子操作することで、がん細胞だけを攻撃するようにする。この治療に使われるのは長く研究されてきた"T-Cellen"と呼ばれる細胞だ。この細胞を患者の骨髄から抽出して、癌細胞を攻撃するようにプログラムして培養。培養された"T-Cellen"が点滴で患者の体内に戻されると、"T-Cellen"は増殖を続けながら癌細胞を攻撃、これを破壊する。その効果は目覚ましく、たった一つのT-細胞が1000ものがん細胞を破壊するという。効果が高い分、その副作用用も激しい。最初にこのT-細胞を与えられたのは白血病に罹った6歳の少女だったが、治療により高熱を発して意識不明、こん睡状態に陥った。この危険な状態が数ヶ月続いたが、意識が回復すると、がん細胞は死滅していた。今日では12歳になった少女は、白血病が再発することなく、元気に生活している。
           
残念ながら、「どんな癌でもT-細胞が効く。」というわけではない。この治療方法がよく効くのは特定の白血病と子宮癌で、脳腫瘍などのがん細胞には効果が出難い。さらに効果が出る事がわかっている白血病患者でも、強度の副作用が出るので、この治療で死亡するケースもある。そして肝心の治療費だが、数千万円かかる。日本や米国のような保険システムでは、お金持ちだけの治療法に留まりそうだ。欧州では米国の臨床実験を根拠として薬の認可申請が出ており、EU委員会は「2017年中の許可を目指して審査中。」との事だ。これが認可されれば、2018年からは一般市民がこの治療を受けることも夢ではなくなる。

次のテーマはうつ病の治療。米国の学者がうつ病患者の脳を研究した結果、患者は健康な人では見られない脳の部分で、活発な情報交換が行なわれることを発見した。これが鬱を発生されるとみなされているが、これを阻止する方法、治療法はまだ見つかっていない。この通常ではない脳の活動を押さえる事ができればいいのだが、脳を操作する事はできない。そこでボンとフライブルクの医学大学は共同で脳のペースメーカーを開発した。このペースメーカーは脳の喜びを担当する脳部分を刺激して、うつ病を押さえるという。このペースメーカーは、患者の脳から肩にかけて埋め込まれる。この方法は7万人を越えるパーキンソン患者で行なわれている手術と同じなので、その方法は数多くの手術で実証されている。埋め込まれた装置は定期的に脳に電気信号を送りだし、患者が鬱になることを防ぐ。臨床実験では長年うつ病に悩む患者にこの装置が埋め込まれたが、7~8割の高い確率で症状の改善が確認されている。

現段階では大いに期待させるポジテイブな効果が出ているが、やはり副作用がある。脳に信号を送るのが原因か、記憶力が減退する。とりわけ過去の記憶が大幅に薄れる。そして集中力が減退する。さらにこのペースメーカーだけでは不十分で、抗うつ薬の引き続き服用する必要がある。にもかかわらずこの手術を受けた患者は、「人生が鬱の前に戻った。」と感激している。今後、フライブルク医大では50人の重度のうつ病で悩む患者にペースメーカーを埋め込み、長期の影響を調べる。副作用が抑えられ、臨床実験がうまくいけば、将来は健康保険でこのペースメーカーを埋め込む治療が可能になる。

最後にはあまり嬉しくないニュースも紹介しておこう。20世紀にイギリスで発見された抗生物質。お陰でこれまでは死亡していた数多くの患者の命を救うことが可能になり、人類の寿命が延びることに貢献した。残念ながら、「よく効く。」というので、抗生物質が多用されることになった。タイの田舎に行けば海老の養殖場が広がっているが、海老が汚れた水で病気にならないように抗生物質をたっぷり含んだ餌を与えている。これはなにもタイだけではない。ベトナムの魚の養殖場もしかり、チリの鮭もしかり、豚や鶏などの家畜にまで抗生物質が与えられている。これだけ大量の抗生物質が使用されると、バクテリアは環境に適応(異変)して、抗生物質が効かない新種のバクテリア、ドイツ語では"MRE"(multiresistenten Keim)"、日本語ではスーパーバクテリアが誕生した。

このバクテリアは往々にして、抗生物質が多用される場所で誕生する。すなわち病院だ。ただの盲腸や出産で大学病院に入院したのに、病院内でスーパーバクテリアに感染、患者が死亡する例が毎年報告されている。オランダではこのスーパーバクテリアに発生を防ぐため、医師、看護婦に殺菌、消毒を徹底させている。お陰でこのスーパーバクテリアが発生することはかなり稀。困ったのはドイツの病院で、オランダのように消毒、殺菌が徹底されてない。お陰で大学病院でスーパーバクテリアが発生、患者が次々と死亡する。こうなるとさらなる感染を防ぐため、病棟を隔離閉鎖、病棟を念入りに消毒しないとスーパーバクテリアを退治できない。稀ではあるが自宅でスーパーバクテリアに感染、それから病院に運び込まれるケースもあるので、医師、看護婦が消毒殺菌をしてないと、この殺人細菌が他の患者に移ってしまう。

この殺人細菌が発生すると、複数の抗生物質を組み合わせた特殊な抗生物質が貸与される。ここで使われる抗生物質は、このようなケースに備えて開発された(本来は)市販されていない種類の抗生物質で、殺人細菌には抵抗力がない筈だ。ところが人間が豚、鶏、魚、海老を経由して不必要に抗生物質を服用したため、体内のバクテリアには抗体ができあがっており、効かないケースが報告されている。こうなるとお手上げで、もう何もできない。運がよく感染が手足だけに留まっていれば、これを切断することで生命だけは救うことができる。抗生物質の乱用で、医学は抗生物質発見前の状態にほぼ戻ってしまった。

ところが医学は何も西洋医学だけではない。イギリスで抗生物質が発見される前、パリでは患者を救うべく"Phagen"(ウイルス)を逆に利用して細菌を退治して患者を救う研究、人体実験がが行なわれた。本来は人間に有害なウイルスであるが、細菌を栄養源にして繁殖していくウイルスを利用して、細菌を退治する医療方法だ。その後の抗生物質の発見、普及により"Phagen"(ウイルス)を使った治療法は西側では忘れられることになった。ところがかってのソビエト連邦、とりわけグリジアではこのウイルスの研究が進められ、"Phagentherapie"(ウイルス治療)が実現している。今日では抗生物質が効かない患者に、このウイルス治療を処方することで、患者の命を救っている。

普通なら西側でもこの治療が取り入れられる筈なのだが、西側ではウイルスを使った治療は禁止されている。というのも抗生物質は製薬品会社にとってのバイアグラ、金のなる木だ。"Phagentherapie"なんぞが導入された日には、抗生物質の売り上げ、とりわけ高価なスーパーバクテリア用の抗生物質が売れなくなる。強大なロビーをもつ製薬会社はEU委員会を通じて、"Phagentherapie"を今日まで禁止させることに成功している。そこでドイツでスーパーバクテリアに感染すると、まだ動けるうちにグリジアに飛んで、この治療を受けることが不可欠だ。最近ではポーランドでもこの治療が受けられるので、ベルリンに住んでいれば車でいける。日本ではどのような環境になっているのだろう。


遺伝子治療最初の生き証人
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大安売り (17.08.2017)

今回のテーマは車。まずは違法の排ガス操作で有名になったフォルクスヴァーゲン社(以下VWと略)から始めるよう。VWとその傘下の特定の車種に限られているが、「オイルが減る。」という現象に悩まされている。「走れば減るのは当たり前。」とVWは言うが、その減り方が尋常ではない。「減れば足せばいいじゃない。」と思うかもしれないが、エンジン内でガソリン、あるいはデイーゼルと一緒に潤滑油が燃焼するのは、エンジンによくない。そのようなエンジンは何処かに欠陥がある。エンジンオイルが減るエンジンを分解してみると、オイルが焼きついてエンジン ピストンが変色している。この不具合は購入後2~3年後に現れるのでVWは、「保障外」とリコール修理を拒否している。そこで正規代理店に修理に出すと、4000~5000ユーロもの修理費を請求される。

この不具合の原因はすでにわかっている。エンジンピストンにはオイルが燃焼室に入り込まないように、リングが装着されている。このリングが余分なオイルをぬぐう仕組みになっており、リングには、拭ったオイルがオイルパンに戻るように穴が空いている。この穴が狭くて、オイル詰まりする。こうしてエンジンオイルはピストンが上がる度に燃焼室に運ばれて燃焼する。VWはこの欠陥部品をすでに以前のモデルに使用、問題が発覚して別のリングに替えたのに、「在庫が余って仕方がない。」ためか、再度、この欠陥リングにの採用に踏み切った。穴が詰まって不具合が発生するのが保障期間後なので、修理で大儲けできるという副作用も期待できる。
           
もっとも何処でもそんなにうまくいくわけではない。2014年に米国でこの件に関してVWに対する集団訴訟があり、同社は無償で修理を提供した。すなわちVW社は自社の車に欠陥があるのを知っているのに、ドイツでは集団訴訟が認められていないので、米国と同様の処置を拒否、「欠陥ではありません。」と言い張ることで済ましている。流石、排ガス規制装置を操作して、「知りませんでした。」と真顔で言うだけの会社だけのことはある。この現状を見てエンジン部品の専門店は独自のピストンリングを開発、「オイルの現象でお悩みですか。3500ユーロで修理を引き受けます。」と、VWよりもはるかに安い値段で修理を提供している。

次はVW社の排ガス規制操作に関するテーマだ。去年、VW社のマネージャーが何も考えず、家族と一緒に米国で休暇を過ごした。帰国すべく空港に行くと、家族の間の前で手錠をかけられてしまった。そう、彼はVW社の環境部門のマネージャーだったのだ。逮捕以来、「私は無実です。」と主張してきたが、検察は同被告に対して陰謀罪で169年の懲役刑で脅した。会社のために監獄で死ぬ気のないマネージャーは「有罪です。」と自白、懲役刑は7年までに減刑される見込みだ。その他、複数のマネージャーが指名手配されており、間違っても米国、あるいはその友好国に入国してしまうと、身柄を拘束されて米国に渡される危険がある。何しろ米国の検察はインターポールに指名手配リストを送り、世界中で指名手配しているからだ。該当のマネージャーは、逮捕されたくなければ、一生、ドイツで暮らすことになりそうだ。自業自得だろう。

一方、ドイツ国内でVW、アウデイ、シュコダ、セアット等、違法ソフトを搭載してている車を買った消費者は、大企業を相手に車の返還と購入金額の返却を求めて個々に訴えるしか、方法がない。そのような訴えがあると、VWは非難を一切認めず徹底抗戦する。夢のような予算と、まるでサッカーチームのような弁護士団を抱えているVWを相手に、一般消費者は勝ち目がほとんどない。ある地裁で裁判官がVWに、車の引き取りと購入価格の返却を命じた。これまでのケースではVWは上告して徹底抗戦する戦略を取っていたが、何故か今回は上告を諦めて、判決を受け入れた。以来、弁護士事務所では一攫千金を夢見て、「あなたの車の購入金額を取り戻します。」と無償法廷闘争を提供し始めた。勿論、弁護士が無償で働くわけもなく、勝訴の際には返却される金額から「謝礼」をいただく契約になっているが、裁判に負けても費用はかからない。中古市場でデイーゼル車の価格が下がる一方なので、「だったら報酬を払っても、車を払い戻ししてもらった方がいい。」と弁護士に裁判を申し込む消費者が増ええている。ここでの争点は、「車を売ったデイーラーまで、責任を要求できるか。」という点になっている。ある裁判所は払い戻しを命令、ある裁判所は、「デイーラーにそこまで責任はない。」という判決を下している。

最後に輸入車に関するトラブルを紹介しておこう。北米市場で全損した高級車を買い、リトアニアに輸出している犯罪組織がある。リトアニアに輸送船が着くと、車は秘密の自動車工場に運ばれる。犯罪組織はここで車をチェック、修理に必要な部品のリストを作成、部下に部品の調達を命じる。部下はバンに乗って、ドイツまで部品調達の旅に出る。なんでリトアニアで買わないで、わざわざドイツまで来るの?なんて不思議に思う方に説明しておくと、高級車は部品が高い。そんな部品を使って修理すると赤字だ。そこでドイツまで部品盗難の度に出る。ドイツで必要な部品を調達すると、リトアニアで事故車を修理する。修理と言っても、見えるところだけ。曲がった車体などは修理しない。修理が完了すると、ドイツに「USA仕様車」として輸出する。ドイツの車検場は他の国と違い、全損した車が本当に安全に走行できるかチェックしないので、錆びていなければ新しい車の車検証をもらえる。あとは市場価格よりも10~20%安く提供するだけ。すると安い値段に惹かれた鴨が、鍋を背負ってやってくる。リトアニアから輸入された車の大部分はこのような全損車なので、次第にいい加減に修理した箇所がまた壊れて、高級車は高級廃車となる。

ちなみにドイツで盗難された高級車の多くもリトアニアに向かい、ここからロシア、あるいはタジキスタンに輸出されている。というのもタジキスタンの法律では、盗難車でもこれを「知らないで」購入した場合、所有権は購入者に移るからだ。こうして普通なら手の出ないドイツの高級車が、ドイツの市場価格よりも30~40%減額で販売されており、あちこちで高級車ばかりが目に付く。リトアニア、タジキスタンの警察もこれはよく知っているが、地元のマフィアからお金をもらっているので、取り締まりには関心がない。時々申し訳程度に小さな取締りを行うと、盗難車を押収、警察の努力の結果と宣伝に使用している。

追記。古いデイーゼル自動車の市内乗り入れ禁止令に悩む自動車業界は、新車購入キャンペーンを開始した。「古いデイーゼル車(EURO 1~4)を保有している人が、新車を買うと割引します。」というもの。トヨタ、BMW、メルセデスは2000ユーロまでの割引という小額の割引に留まっているが、排ガス違法操作でイメージダウンに悩むVW社は、「最高1万ユーロまで」割引を提供している。ポロなどの利鞘の少ない小型車では2000ユーロだが、"Touareg"などの大型車には1万ユーロの割引が提供されている。フォードやルノーも車種により、それぞれ8000ユーロ、あるいは7000ユーロの割引を提供している。割引期間はVWが年末まで。フォードは10月末までと短い。各社がどんな割引をどの車種に対して提供しているか、直接、メーカーまでお問い合わせください。


輸入される全損車。
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がん特効薬 発見? (17.07.2017)

ウルム大学の化学者が、さまざまな薬物(麻薬)ががん細胞に及ばす効果を研究していた。研究の一環で合成麻薬の(メタドン)をがん細胞に加えると、癌細胞が壊滅してしまった。「きっと何かの間違い。」と同じ実験を繰り替えしたが、やはり同じ結果になってしまう。理由は不明だが、メタドンはがん細胞を破壊する効果があると感じた化学者はメタドンの量を加減して、どの程度の量であれば、がん細胞を死滅させることができるのか突き止めた。というのも大学病院には脳腫瘍で手術が不可能な患者が通院しており、残り数ヶ月~1年の余命と診断されていたからだ。

そこで患者の了解を取った上で、患者にメタドンを与えてみた。するとこれまでは"Chemotherapie"(放射線治療)に対して効き目を見せなかった腫瘍が、みるみる小さくなっていった。中には腫瘍がほとんど姿を消したので病院を退院、ほぼこれまで通りの生活を送る患者まで出てきた。メタドンの人体実験で確かな効果を確認した化学者は、がん患者を対象にした正式な臨床実験をするように申請したが、大学はこれを拒否した。というのも癌に効果があることがわかっている治療薬、"Avastin"は2万5千ユーロ(およそ300万円)もするが、メタドンなら街角の薬剤師が混ぜることができて、3か月分の「お薬代」が30ユーロで済む。30ユーロで効く癌の特効薬なんぞ見つかってしまうと、製薬会社には大赤字だ。製薬会社からお金(研究費)をもらっている大学は、「そんな薬が見つかった日には、研究費を削られる。」と、臨床実験を認めなかった。これがもう10年近くも昔の話だ。
           
ドイツには癌末期の患者が威厳のある最後を迎えることができるように"Hospiz"という施設がある。ここで死を待つ患者を診察していた医者が、痛みを和らげる目的でがん患者にメタドンを処方した。すると不思議なことに患者の余命が、他のメタドンを処方してない"Hospiz"よりも、はっきりと伸びることに気がついた。他の"Hospiz"で働く医師との意見交換の末、メタドンは癌治療に効果があると確信、以降、自身の診療所にやってくる癌患者にはメタドンを処方した。もっとも癌の特効薬としてではなく、痛み止めとしてだ。ドイツでは(世界中でも同じだが)まだメタドンが癌に及ぼす臨床実験がなく、薬として認めてられていない。だから痛み止めとして処方することになる。

この医師はメタドンががん治療に効果があることを健康保険に報告、臨床実験をするように薦めたが全く相手にされなかった。国民健康保険にとってメタドンは薬物中毒者に与える代用の安い薬物としか考えておらず、その薬物を癌治療に用いるべきだと主張する頭のおかしい医師が、医師試験に合格したことを疑った。こうしてここでもメタドンを使用した癌治療は、闇に葬られた。ところがネットが発達した今、完全に闇に葬ることはできなかった。この医師の噂を聞いたがん患者は、ドイツ中からこの診療所に押し寄せた。その中に、「余命数ヶ月」と診断された女性が居た。放射線治療をしたのに効果がでなかったのだ。そこで必死になってネットで代わりになる治療を検索して、メタドンを使った治療を読むことになった。この診療所でメタドンを処方してもらい、再び放射線治療を始めると、これまでは変化のなかった腫瘍がみるみるうちに縮小して、数ヶ月には黒い影を残すだけとなった。

この女性がテレビのドキュメンタリーに出演、かかりつけの大学病院の医師の診断ではとっくに死んでいる筈なのに、元気にスポーツジムに通っている姿が報道された。このドキュメンタリーに出演した化学者の話では、「がん細胞は抵抗力が高く、放射線治療をしても薬剤を受け付けないことがある。しかしメタドン治療を同時に施すと、癌細胞は薬剤に対しての抵抗を失い、放射線治療が効果を発することがわかった。」と発言すると、上述の医師とこの化学者は、一晩にしてがん患者のヒーローとなった。ところが製薬会社が黙って数億の儲けになる機会を逃す筈もない。癌治療で権威のあるハイデルベルク大学の教授を使って、「そんな臨床実験もされてない、あやしげな治療に希望をいだくべきではない。患者が副作用に悩むだけだ」。と主張した。化学者が研究しているウルム大学さえ、「メタドンは癌の治療薬薬でなない。その効果も確認されてない。」とネガテイブキャンペーンに加わった。ところががん患者その家族からの反響は絶大で、医学会はこれを無視できなかった。やむなくベルリンのシャリテー病院にて第一回目の臨床実験が27人の被験者に対しておこなわれた。(その詳しい報告書はこちら)。

この実験では心配されていたメタドンの副作用を確かめるのが目的だったが、ハイデルベルク大学病院の教授が示唆していたような毒物による健康障害、極度の発汗、あるいは心臓への負担などの副作用は現れなかった。この実験から、「メタドンを与えても、メタドンを与えられなかったコントロールグループと大差がない。」という結果がでた。ただし被験者の数が少ないので、「一般的な副作用の有無はまだ確定してない。」という注意はあったが。今後は被験者の数を増やして引き続き副作用の検査、そしてこれが済めばがん患者へのメタドン治療へと進むことになる。すべてがうまくいっても結果が出るまで3~4年というので、すでに癌が発病している人にはあまり役に立たない。

ただしドイツでは、町医者がメタドンを痛み止めとして処方することができる。放射線治療をしている医師が、「メタドン?そんなものは薬じゃない。」と抵抗するなら、これをかかりつけの診療所で処方してもらい、服用すればいい。嬉しいことに上述の医師と化学者の話では、「癌の種類を問わず効果がある。」ということだ。とりわけこれまでは治療法がほとんどなかった白血病に対して、「とりわけよく効く。」という。上述の通り、メタドン治療は放射線治療と一緒に行うと効果を高める効果があるので、メタドンだけ取っても効果は薄い。又、ベルリンのシャリテー病院を含めて、僅かながらメタドンを癌治療として採用している病院もあるので、メタドン治療の臨床実験の結果を待つまでもなく、すでにメタドン治療を受ける事ができる。少なくともドイツでは。
 
とは言っても、メタドンが癌治療に効くと決まったわけではありません。幾つかの事例で効果が認められたと「主張しているだけ」です。日本でも理研の研究員が詐欺をしたように、この結果が臨床実験で再現されるまで、確実なことはわかりません。「それじゃ役に立たない。」、「もっと詳しく教えて。」と思われるかもしれませんが、ここではドイツで報道されている事件、出来事を紹介しているに過ぎません。がん患者の方、そのご家族に迷惑をかけたくないので、この記事に関するお問い合わせは、お受けいたしかねます。さらに記事の内容、信憑性に関しても責任は取りかねます。何卒、ご了解くださいませ。興味のある方は、"methadon"、"krebs"と入れてググってください。ここで紹介した以上の情報が出てきます。


安すぎる特効薬?
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Abofalle (17.05.2017)

0180の番号を使った電話詐欺が法改正で使えなくなり、「詐欺はほとんどなくなった。」と思っていたら、甘かった。現在、携帯電話を利用した詐欺が第二の活性期を迎えており、被害者の数はうなぎ上りだ。これを防ぐ効果的な手段もあるのに携帯利用者の多くは、「私はエッチなサイトは見ないから、騙されない。」と安心しきっているか、「そんなことが可能だとは知らなかった。」と無知のため、詐欺師のいい鴨になっている。

ネット上で契約を結ぶことが多くなったため、動きの遅い政府もやっと法整備にこぎつけて、ネット上で契約を結ぶには、「支払いに同意する」、あるいは「買う。」というボタン/アイコンを押さないと、契約が成立しない事になっている。簡単明瞭なのだが、詐欺師はこれを逆利用している。「このフォームに記入して登録すれば、無償でサービスが受けれます。」と一見、無償のサービスを提供する。「無料だから。」と登録すると、請求書が届くという具合だ。人気の方法は、「あなたのSchufaのスコアを無償で問い合わせ。」、「あなたにぴったり合う相手を無償で検索。」というものだ。「そんな手にはひっかからないよ。」と住所は適当なもの、名前も仮名で記入したのに、「請求書が届きました。」と相談を受けたことがある。詐欺師はIPアドレスだけで住所を特定できるので、データを誤魔化しても効果がない。ご注意あれ。
           
「でも住所と名前を入れただけで、どうして請求書が届くの?」、『「支払いに同意する」、あるいは「買う。」というボタン/アイコンを押さないと、契約が成立しないんじゃないの?』。それはその通り。もっとも詐欺師は法律を守らないから、詐欺師なのだ。その方法はこうだ。「無償で登録する。」ボタンの下に「購入に同意する。」というボタンを隠している。何も知らない消費者が、「購入ボタンは押していません。」と抵抗しても、「この通りちゃんと押しています。」と詐欺師は「証拠」を提供できる。もっともこの手口は欠点もある。パソコンからアクセスした場合、請求書を送ってお金を請求するしか詐欺の方法がない。しかしドイツの民法ではネット上の契約は2週間以内の解約が認められている。そこで請求書をもらった消費者が、「解約すます。」と解約書を送ってきたら詐欺にならない。運よく「ドイツに詳しい人」が、「そんな無茶な要求は無視すればいい。」と親切なアドバイスしてくれば、話は別。無視していると契約が成立してしまい、支払い義務が発生する。

ところが携帯電話なら話は別。ドイツ テレコムだろうがヴォーダフォンだろうが、詐欺師から「申し込みしたサービス料金の引き落とし申請」が来ると、これをチェックもしないで許可してしまう。すでに詐欺とわかっている業者からの要請でも、許可してしまう。この支払いで電話会社も一緒にお金を稼いでいるからだ。結果、申し込んだ覚えのない"Abo"(定期購読)の支払いが電話代の請求書に計上されてから、「やられた!でも何処で?」となる。請求書に、"Abo Sex-XXXX"と書かれていると恥ずかしくなって抵抗をしない人も少なくない。そのような請求書が届いている人の多くは、風俗サイトを見ておかしなサービスを申し込んだわけでない。無償のゲームやサービスを受けるために何処かのサイトに登録したか、発信人不明のSMSのリンクを押しただけで、詐欺に遭ってしまっている。勿論、風俗サイトはそんな危険なボタンで一杯だ。「動画をスタート」を押せば、高い確率で隠された"Abo"ボタンを押すことになる。

この詐欺"Abo"の特徴は、定期購読費用が週割になっていること。詐欺に気づいた消費者が契約を解約すると(解約するに決まっている)、書類はゆっくり処理されるので、解約が実行されるまで大体、2ヶ月かかる。月割りではよくても2回しか費用を引き落とせない。しかし週割なら8~9回も可能だ。もっとも中には携帯の請求書を見ていない人も居て、数ヵ月後に詐欺に気づく人もいる。そんな目に遭わないように、請求書が届いたらおかしな請求がされていないか、チェックは欠かせない。「でも、どうやって解約すればいいの?」とお悩みの方、お住まいの町にある消費者団体が、無償で手紙の草稿を提供しています。

「詐欺師にお金は1セントも払いたくありません。」という人は、契約している電話会社に不当な請求であることを通知して、お金を払い戻すように依頼することはできる。がドイツでは一度払ってしまったお金を取り戻すのは、左手で暗闇の中で針に糸を通すよりも難しい。電話会社もこの詐欺で一緒に稼いでいるからだ。半年にも及ぶ手紙のやり取りの後、ドイツテレコムは「引き落とした額は翌月からの請求書で相殺します。」と譲歩したが、正確には不法に請求されたお金が戻ってきたわけではない。この現状に腹を立てた緑の党の国会議員は、「ドイツテレコムとその競合他社は、詐欺師の取立人と化している。」と非難しているが、他に適当な言葉が見つからない素晴らしい描写だ。弁護士保険に入っている人は、弁護士を使って代金の返却を計るのが一番の方法だ。弁護士裁判に加入していない場合、被害額にもよるが、"Abo"の請求書が届くとすぐに契約を解約するのが一番安い方法だ。

こんな目に遭わないようにするには、どうすればいいのか?「発信者不明のSMSには回答しない、リンクはクリックしない。」、などの対抗先を実行しても、詐欺師がスパイソフトで友人の携帯を「ハイジャック」してしまったら、そのような警戒措置は役に立たない。てっきり友達からのメールだと思いクリックしてしまい、詐欺にはまってしまう。このような被害を防ぐため、電話会社は"Drittanbietersperre"という機能を提供する義務がある。これは契約先の電話会社以外からのサービスを受けれなくする機能で、「無料で登録する。」の下に隠された「購入に同意します。」をクリックしても、他社のサービス利用が禁止されているので詐欺師にも歯が立たない。この機能は契約時にはオフになってるから、詐欺が心配な方はホットラインに電話してこの機能をオンにしてもらおう。

最後にいいニュースも紹介しておこう。6月15日からEU内でのローミング料金が廃止された。すなわちドイツに居ながら、おフランスにいる友達と国内料金で通話できる。と書くと、「じゃ、○○から□□に電話をしても同じなの?」と相談が来るので極端な例を出すと、ルーマニアからポルトガルに電話しても、国内料金と同じ扱いになる。例外はスイスなどのEUに入っていない国。すなわちフライブルクから遠足に行き、外出先からスペインに電話、長電話の後でローミング料金が課されることはある。国境地域では、携帯電話はお隣の国の電話を拾って通話に使用することがあるからだ。あるいは直接、ドイツテレコムやボーダフォン、あるいはその子会社と契約せずに、安料金が売りのデイスカウンターと契約している場合は、ローミング料金が課されることもあるので、外国からでも電話した人は契約元に確認を取ってから電話をしよう。弊社ではそのようなお問い合わせは、お受けいたしかねます。どうか契約先までお問い合わせください。
 

無償のゲームで誘い、
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パズルに隠れた購入ボタンを押させる。
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