Die Kur (17.01.2017)

"Kur"というすぐに覚えられる単語は、「療養」という意味の名詞。これが動詞になると"kurieren"となり、「治す。」という他動詞になる。これにドイツ人の大好きな単語、"Urlaub"(休暇)が付いて、"Kur-Urlaub"(療養休暇)となる。日本でも知られているのは温泉治療だが、その他にも高地療養、運動療養、リハビリ療養などがある。30年前のドイツを知る人は、「ドイツでは温泉療養がタダでできるんだぞ!凄いだろう。」と自慢する。残念ながら21世紀の今日では、温泉療養費を健康保険が払ってくれることはほとんどない。例外はお金持ち保険と呼ばれている個人保険に加入しているケースだ。「じゃ個人保険に変えて、温泉治療をただで受けよう。」という思惑は、うまくいきません。個人保険の保険料は、温泉療養よりも高いです。

ところがである。国民健康保険に加入している場合でも、この療養休暇が認められることがある。例えば慢性的な疾患を患っており、医師が"Kur-Urlaub"が必要と(書面で)薦める場合、保険会社に申請を出してみることができる。かなり高い確立で、保険会社はこれを拒否する。保険会社は赤字なので、申請が必要な治療は滅多に許可が降りない。これを不服として再度、医師の診断書を提出して申請すると、疾患の程度、症状により許可されることがある。しかし許可されても、健康保険が払ってくれるのはわずか13ユーロ程度で、残りは自費だ。その程度の補助金目当てに、かなり面倒な手続きをする甲斐があるかどうか、各人で判断してください。

その他に保険が認可してくれる(可能性がある)のは、リハビリ療養。この療養を許可してもらうには、大きな事故、疾病で体の自由が失われていることが条件だ。この場合、申請先は"Rentenversicherung"(年金保険)になる。「肩こりがひどくて、満足に動けない。」という症状では、許可される可能性はありません。すると、「それじゃ何のための保険かわからない。」という苦情を聞きますが、肩こり程度で被保険者を温泉治療に送っていては、保険料は個人保険並みに上昇してしまいます。ドイツでは成人の半数は脂肪過多。だからと行って、"Magenverkleinerung"(胃を小さくする手術)を肥満体のドイツ人すべてに施すと、健康保険は破綻してしまいます。これでは健康に気をつけている人が、馬鹿を見ます。ですから胃の縮小手術は健康保険では(滅多に)許可がおりません。肩こりでの療養でも同じです。

「それじゃ、"Kur-Urlaub"なんて机上の空論で全く使えないじゃないですか。」と言いたくなる。その通りだ。だから冒頭で書いた通り、温泉治療が保険でできたのは30年も昔話だ。"Es sei denn,"(例外は)、"Mutter-Kind-Kur"(母子療養)と呼ばれる療養だ。ドイツにおけるシングルマザーの数、割合は日本の比ではない。ただでも子育ては大変なのに、これを一人でこなすのは(男性には)想像を絶する事業で、心の準備ができず女性は精神的に参ってしまう。そのような母と子供を救うために、母子、あるいは父子療養がある。この療養を受けるには、加入している健康保険に子育てのストレスを理由に療養を申請する。申請が拒否されることもあるので、医師から診断書を書いてもらったほうがうまくいく。あるいは母子療養を提供している施設が、「無料相談所」を設けている。療養施設も客が来てくれないと赤字なので、どのような理由を挙げれば降り易いか、アドバイスしてくれる。

申請が許可されると、最長で21日まで療養を受けることができる(症状により延長も可能)。そして療養の費用は健康保険(それに国民年金等)が負担してくれる。本人が払うのは自己負担金として10ユーロ/日。21日だと210ユーロだ。子供は18歳未満であれば無料。「210ユーロなんて払えない。」という場合は、子供の父親に頼むか、健康保険に自己負担金からの解放を交渉することもできる。例えば生活保護で生活している場合は、自己負担金から解放されることが多い。また療養施設までの交通費にも補助金が出る。ここでも自己負担金は10ユーロまで。療養中に薬などが処方されると、これも一部のみ自己負担となる。

母(父)子療養はシングルマザー、あるいはシングルファーザーのほうが認可されやすいが、夫婦の場合でも認可される。「じゃ夫婦一緒に療養に行こうか。」というわけにはいかない。申請ができるのは、子供の面倒を担当している母か父の片親だ。お金持ち保険では、別の規定があるかもしれないが、国の健康保険に加入している場合は、そのような規定になっている。肝心の療養先では、医師の診断を受けて、いろいろなコースに参加することになる。「一日中、寝てテレビを見ていればいい。」というものではいので、誤解されませんように。又、心身ともに子育ての疲れから回復できるように、子供の面倒を見てくる施設が存在しているので、子供のことを気にしないで療養に専念することができる。あるいは育児に疲れ果てている場合は、一人で療養を受けることができる。療養期間中、自宅で子供の面倒を見てくれる人がいればの話だが。

母子療養を申請する前に、仕事をしている人は会社にあらかじめ療養休暇を計画中であることを告げよう。見本市などを控えている場合は、「頼むから、この時期だけは仕事をしてくれ。」ということもあるから、会社側と療養に適した時期を相談しておいたほうがいい。というのも療養は病気と同じ扱いになるので、会社は社員が療養中もお給料を払い続けなくてはならないからだ。しかも療養は休暇ではないので、休暇の日数とは別個にカウントされる。厳密に言えばこの療養は病気治療にあたるので、社員が療養の申請をすると会社にはこれを拒む権利がない。とはいっても会社は(最大)28日の有給休暇と(最大)28日の(有給の)療養休暇を認めなければならないのだから、せめて事前に会社に事前に連絡くらいはしておこう。

すると悪知恵が働いて、「じゃ毎年療養休暇を取れば、実質まる2ヶ月、有給許可が取れる。」と考える人がいる。そこまで健康保険は甘くありません。慢性的な障害で悩んでいる場合、リハビリ療養では2年おき、母子療養は4年おきに申請を上げることができます。
 

母子療養は子供のお世話付き
118.jpg



スポンサーサイト

Luftreinhaltung (17.12.2016)

フォルクスヴァーゲン社(以下、VWと略)による排ガス値操作の起源は、欧州議会での決議にある。かなり前の話だが、デイーゼルエンジンが健康を害する悪玉として議題にあがった。燃焼の際に出す煤(炭素の微粒子、日本で話題のPM2,8。)と二酸化窒素による空気汚染で年間、8万4千人も死んでいるという研究結果が上がってきたからだ。ちなみにこの数字はイタリアだけの数で、ドイツでは7万2千人という数字が出ていた。EU委員会は悪の根源を絶つために排ガス規制を導入することにした。その一環として導入されたのが煤フィルターで、これを装着していないデーゼル車は高額な罰金を自動車税として払うことになった。同時に新しい排ガス基準が導入され、2009年からは"Euro 5"という排ガス基準を満たしていないと、高額な罰金を自動車税として払うことになった。2015年からはさらに厳しい"Euro 6"が導入された。

当時、メデイアは「空気が綺麗になる綺麗な規制。」とこの規制を賞賛した。不思議だったのは、厳しい筈の規定に2リットルは言うに及ばず、3リットルもの巨大なデイーゼルエンジンが易々と合格して、緑のステッカーをもらえたこと。この緑のステッカーを貼っている車は、市内中心部へ罰金を払わずに入る事ができる。当時は素人ながら、「ガソリン車ならまだわかるが、デイーゼル社が同じように厳しい"EURO 6"に合格できるなんて何処かおかしい。」と思わずには居られなかった。そして実際にその通りだった。

新しい排ガス規制は、自動車業界にとって利益を奪う悪玉でしかない。そこでドイツの政治家がEUに働きかけて、規制の末尾に、「エンジンに損害が生じる恐れがある場合、排ガス規制装置は止めてもかまわない。」と付け加えることに成功した。これが原因で、ドイツ、フランスに限らず日本、そして韓国の自動車メーカーまで、排ガス規制装置は車の登録試験の際にだけ機能して、日常、とりわけ気温が12度を割る日には、全く機能しないようにした。VW社はさらにその上を行き、車が試験されているかどうかを判断するソフトをボッシュから買い、これを装着したために世界中で槍玉にあがったが、排気ガスを走行中に計測すると、日本車、フランス車、米車、ドイツ車も大きく基準値からかけ離れており、やっていることに大きな違いはない。

問題は米国のカリフォルニア州の排ガス規制法には、「エンジンに損害が生じる恐れがある場合、排ガス規制装置は止めてもかまわない。」と書かれていなかったこと。これが原因でVW社は訴えられて、147億ドルというべらぼうな和解金を払うことになった。作動に問題があると知っていながら、イグニッションのリコールをせずに数名の死亡事故を起こしたGMが払った罰金はたったの9億ドルであった。米国で外国企業が同じような悪さをすると、外国企業はその10倍以上の罰金を課される。不可解なのは、日本でVW社が訴られなかったこと。同社は日本でも同じように排ガス規制を操作した車を販売、日本の排ガス規制法に抵触している筈だ。お隣の韓国ではVW社は訴えられて、同社のマネージャーは検察に逮捕されてしまった。その後、韓国の通産省は当初の千4百万ユーロの罰金に続き、「宣伝を嘘をついた。」として3百万ユーロもの高額な罰金刑を課した。しかるに日本の通産省、あるいは環境省は何故、VWを訴えないのだろう。日本の排ガス規制法にも欧州と同じような抜け穴規制があり、これが世間に知られることを恐れているのだろうか。

米国ではVWを買った消費者はこれを新品価格で返却できる上、5100~1万ドルもの賠償金を手にすることができる。なのに欧州の消費者は1セントももらえないし、車を返却することもできない。排ガス操作している同社のデーゼル車の中古車価格は下がる一方で、売却しようにも大きな損をすることになる。欧州委員会はこの消費者の待遇の違いを問題視して、VW社から何かしら賠償をえられないか協議中だ。間抜けなことに、そのような操作を許可する法律を同じEU委員会が考案、EU議会で議決されてしまっているので、欧州の消費者に何かしらの賠償金が支払われる可能性は低い。VW社の社長は、「ちゃんと車が機能するのに、賠償金を求めるなんててどうかしている。」と客を攻撃さえしているので、VW社が自主的に何かをしているという望みは抱かないほうがいい。

「それじゃ、今回の排ガス操作スキャンダルで何も変わらなかったのか。」と言えば、そういうわけでもない。このスキャンダルはデイーゼルエンジンの限界を示した。今後、欧州、米国は言うに及ばず、中国でも排ガス規制が厳しくなる。正確に言えば、今後はメーカーが提出した数字を信用しないで、ちゃんと計測するようになる。するといくら「ドイツの技術力」を用いても、3リットルものデイーゼルエンジンでは、排ガス規制をクリアできなくなる。すでに1.6リットルのデイーゼルエンジンで規制値に抑えるのができず、排ガス値を操作したのだから、デイーゼルエンジンの将来は暗い。

ドイツにはビールだけではなく、空気の値にも、"Luftreinhaltung"という規則がある。市は空気汚染が基準値を超えた場合、空気の質を改善する義務があるという法律だ。ところが各都市は何もしないか、あるいはここでも紹介した環境ステッカーを導入して、市内中心部への排ガスを撒き散らす車の進入を制限しようとした。ところがステッカーの販売で金を稼いだのはいいのだが、空気は一向に改善しなかった。(ステッカーを貼るだけで空気の質が改善するわけがない。)我慢の緒を切らせた環境団体はデユッセルドルフ市を法律違反で訴えて、勝訴してしまった。裁判所はデユッセルドルフ市に市内の空気を改善するための具体的な措置をとるように命じた。この命令を守らない場合、市は多額の罰金を課されて、市の予算にぽっかり大穴が空く。そこでデユッセルドルフは冬には空気汚染の主犯であるデイーゼル車の乗り入れ禁止を導入せざるを得ない事態に追い込まれている。ケルン、ボン、その他の都市でも同様の訴えが裁判所に出されており、デイーゼル禁止令は、ドイツ全土に広がるかもしれない。

今後、ドイツに引っ越して車を購入される場合、デイーゼル車は避けたほうが賢明だ。市内乗り入れが禁止される恐れがある上、電気自動車普及のため環境汚染の元凶であるデイーゼル車の自動車税、そしてデーゼル税を挙げて助成金を確保しようとする動きがある。そうなれば車の維持費が上昇する。さらには中古で売ろうにも、市内乗り入れができない車を誰が買うだろう。排ガススキャンダル後、ドイツ国内ではガソリン車の登録台数が10%上昇したが、デイーゼル車も大型車でなければ、まだまだ売れている。しかし最初の都市がデイーゼル禁止令を出すや否や、デイーゼル車の需要は一気に減少する。デイーゼル車をすでに所有している方は、まだいい値がつくうちに買い換えた方がいいかもしれない。

「じゃ、電気自動車にすればいいの?」といえば、そういうわけでもない。2016年末の時点では、電気自動車が電気をスピードチャージする場所が決定的に少ない。高い電気自動車を買っても、遠出には使えない。市内通勤とお買い物にしか車を利用せず、自宅の駐車場にコンセントがあり、環境意識が高く、いいお給料をもらっている人なら電気自動車を購入を考えるが、普通の消費者にはまだ高い高嶺の花だ。高い電気自動車の選択肢として、天然ガスを燃料とする車がある。ところがまたしてもVW社の天然ガス自動車が次々に爆発している。

コストカットに躍起になった同は安い素材を使ったガスタンクを使用したため、数年でボロボロに錆びてガスが漏れ始める。そしてエンジンのスイッチを入れると爆発するというわけだ。VW社の反応はいかにもドイツ人らしく、爆発した車種の燃料タンクだけリコールするというものだ。自動車雑誌が同社のガス自動車を調査してみると、リコールに指定されてないタンクもボロボロに錆びていた。GMが示した通り、死亡事故が起こってもメデイアで叩かれて販売台数が落ちるまでリコールをしないのが自動車メーカーだ。同社のガス自動車を所有している方は至急、ガスタンクを調査させよう。

面白いエピソードがあるので、ここで紹介しておこう。強大な自動車ロービーの間隙を縫って、ドイツの上院で「2030年からは内燃機関エンジンの搭載されて車の新規登録を禁止する。」という議題を賛成過半数で可決してしまった。この議題を見逃した自動車団体は、議題の決議後、一致団結してこの議題に反抗している。上院の議決がそのまま法律になることはなく、法律になるには下院でも議決される必要があるが、下院ではそのような議題は最初から見込みがないので、議題が提出されるかどうかも疑わしい。それもこれも、すべての発端はVW社の排ガス規制操作にある。このスキャンダルがなければ、ここまで話題が社会で議論される事はなかったろう。遅かれ早かれ電気自動車への移行は避けられず、電気自動車に欠かせないバッテリー製造では日本、韓国、そして中国企業の三つ巴の戦いになっている。消費者家電機器で苦戦を強いられて撤退を余儀なくされている日本企業、この競争に勝ち残れるだろうか。


デイーゼルの将来は?
117.jpg



Preisbindung (17.10.2016)

インターネットショップが広まり続ける中、店舗型の商売は苦戦を強いられている。ここアウグスブルクでも市役所からわずか300m離れた場所にあるビルは、がらんどう。市内は駐車場の問題も加わって、客足が離れる一方だ。そんな市内の一等地の店舗で頑張っているのは、レストラン、スーパー、そして薬局だ。薬局も一軒だけのケースは珍しく、その斜め向かいも薬局で、同じ通りに4~5軒も軒を連ねている。スターバックスやマクドナルドを上回る店舗数の理由は、コーヒー並みのそのマージン(利益率)の高さにある。お医者さんから処方箋をもらって薬を薬局で買うと、9ユーロが薬局の収入になる。市内の一等地、隣が医者の診療所だったりすると、薬を求める客が列をなしている。薬局の組合が出している統計では、薬局の売り上げの平均は200万ユーロ!!なんというおいしい商売だろう。道理で薬局が多い筈だ。社会の高齢化、ドイツ人の慢性的な肥満化に伴い、病気になる人はうなぎ登り。まさに客が尽きる事のない商売だ。

医師の処方箋なしで買える薬、頭痛薬、抗アレルギー薬、下痢止めなどは、ドイツの薬局で日本の半額程度の値段で買える。ただし隣の薬局に行っても値段は変わらない。ほとんどの薬局が、定価販売をしているからだ。それでも当初は、「日本より全然安い。」と感激する。ところがインターネットで検索すると、同じ薬がさらに半額で買えるのにビックリ。ネットでは高い店舗が必要ないので、安価で提供することが可能になる。頭痛薬、抗アレルギー薬、下痢止めなどは、すでにパテント(特許)が切れているので、製薬会社はただのパテントを用いて、大量に薬を生産する。日本の製薬会社と違って欧州全域、そしてロシアや中近東、さらにはアフリカ、アジアでも販売するので、その生産量が桁違い。結果、日本では3000円もする下痢止めが、ドイツでは200円程度で買える。この値段でインターネット薬局、さらには製薬会社も儲かるのだから、生産コストは推して知るべきだ。インターネットで買うと郵送料がかかるが、通常、20ユーロ以上買うと送料は無料。薬の使用期限は2年ほどあるので、いつも買う薬があれば、半年、あるいは1年分買い置きしておけばよい。

薬がこんなに安く買えるまでは、長い道のりだった。以前は薬をインターネットで販売することは法律で禁止されていた。薬局組合が政治家に陳情して、薬局を通販(当時はまだインターネットが発達していなかった。)することを禁止していたからだ。ところがインターネットが普及を始めると、オランダのインターネット薬局がドイツ語のホームページを作って、安い値段で薬の販売を始めた。ドイツの法律に縛られない、オランダの薬局ならではの商法だ。ドイツの薬局は、「これではボロい儲けがなくなる。」と心配、一致団結して抵抗したが、欧州裁判所で負けた。以降、処方箋が必要ない薬の販売がインターネット上で可能になった。以降、ドイツ国内でもインターネット薬局はが数多く出現、目を疑うような安い値段でしのぎを削っている。

「ネットで買うとこんなに安いなら、処方箋の薬もネットで買えば安い?」と思ってしまう。しかし処方箋が必要な薬は、薬局で買うのと同じ値段になっている。これはドイツの薬局の最後の砦、"die Arzneimittelpreisbindung"(薬定価格制度)のためだ。元来この制度は、薬を必要とする患者が、どの町のどの薬局でも同じ値段で薬が買えるようにする目的で導入された。当初は薬の値段の高騰を避ける目的だったが、インターネット薬局の出現で必要ない法律になっている。それどころか、今日では薬局の高収入を保障する最後の武器となっている。

ところがここでもオランダのインターネット薬局が攻勢に出た。慢性的な病気を抱えて同じ薬を常用しなければならない場合、患者の月々の出費は馬鹿にならない。パーキンソン病の患者の団体はドイツの薬局組合に割引を打診したが、薬局団体はこれを拒否。そこでオランダのインターネット薬局に相談すると、こちらは大幅割引を提供。結果、パーキンソン病を患う患者は、インターネットで薬を注文、毎月数百ユーロの節約になっていた。ところがドイツの薬局団体は、「これはドイツの法律、"Arzneimittelpreisbindung"に抵触するものだ。」と訴えた。ところが欧州裁判所はドイツの法律、"Arzneimittelpreisbindung"は外国企業のドイツ市場参入を妨げるのであると判決、ドイツの現行の法律を無効と宣言した。

この判決を受けてドイツの薬局団体は、「ドイツ国内における薬の提供を脅かすものである。」と抵抗した。インターネットで薬を注文すると、処方箋が必要、必要ないにかかわらず、配達まで4~5日かかる。しかし薬局では即日で買える。このインフラを維持するのは金がかかる。インターネットで安価に処方箋が必要な薬が手に入るようになると、金のかかるインフラを抱えている薬局は不利で、やっていけないという苦情だ。消費者は逆に、「それじゃ今後は処方箋の必要な薬も安く買えるようになるの?」と喜んでしまうが、そうは甘くない。ドイツの薬局団体は、儲かるチャンスが失われていくのを指を加えて眺めているようなことはしない。薬局団体は政治家(厚生省)への太いパイプを利用、処方箋を必要とする薬の通販を禁止するように陳情した。厚生大臣はこの陳情を受けて、インターネット上で処方箋が必要な薬の販売を禁止する法律を準備中だ。残念。

参考。
処方箋の要らない薬は、"Rezeptfreie Medikamente"(複数形)という。日本と違ってドイツでは睡眠薬も処方箋が要らなく、薬局で買える。この処方箋が要らない薬のほとんどは、"Generika"と呼ばれるパテント期限の終了した薬を指す。わかりやすいように頭痛薬で言えば、オリジナルはバイヤー社のアスピリンだ。パテントが切れたので、全く同じ成分"Acetylsalicylsäurel"の頭痛薬をゲネリカ専門の製薬会社が製造、販売している。オリジナルを薬局で買うと20錠入りで10ユーロもするが、ゲネリカをインターネットで買うと2.50ユーロ。それも100条入り!!雲泥の差だ。日本では、「やっぱりオリジナルじゃないと。」という方が少なくないが、それは偏見です。成分が同じなので、効き目に違いはありません。単に名前が違うだけ。ドイツの健康保険は医療費を節約するため、「ゲネリカを処方するように。」とお達しを出しており、ドイツの医書はこれを大方守っている。


半年分まとめて注文。
116.jpg



介護保険制度、厳密に言えば介護度のクラス分けが2017年から変更される。これまでは介護度認定の際、肉体的能力の欠陥が介護度決定の指針になっていた。しかし認知症患者の場合、とりわけ自宅で介護されている場合は、肉体的な能力は衰えていないケースが多い。結果、認知症が進んでいるのに、介護度が低い、あるいは全く介護が必要と認定されないという不具合が生じていた。この不具合を解消するため、新しい制度では精神的な障害によっても、肉体的な障害同様に介護度が設定されることになった。

この機会に介護度も変更される。これまでは1~3、正確には0~3の介護度だったが、2017年から日本同様に1~5の介護度が導入される。介護度1では、1日1回、介護士が訪問、1時間まで程度の介護で済み、夜間の介護が必要ない場合。介護度1が認定されると、125ユーロ/月の介護補助金が出る。介護度2では1日1回(2時間まで)の介護で済み、夜間の介護はごく稀に必要なケース。自宅介護で済めば316ユーロ/月の介護補助金が出る。介護施設に日中の面倒を頼む場合、689ユーロまで保険で費用を持ってくれる。介護度3は日中6時間までの介護が必要で、夜間の介護も2回まで必要なケース。自宅介護で済めば545ユーロ/月の介護補助金が出る。介護施設に日中の面倒を頼む場合、1298ユーロまで保険で費用を持ってくれる。これ以上の介護度、さらに詳しい内訳はこちらで紹介されているので、参照あれ。

この介護制度の変更は、ドイツ国内でも増え続ける認知症患者がきっかけとなった。ドイツの厚生省の統計によるとドイツには認知症を患う患者が160万人おり、毎年、30万人が新たに発病しているという。社会の高年齢化によりこのペースは今後加速され、2050年には患者の数は300万人を突破、毎年40万人の規模で患者が増えるという。すなわち100人/日も新たにこの病気の患者が増える計算だ。ドイツよりも高年齢化が進んでいる日本ではドイツのほぼ3倍、460万人が認知症に苦しんでいる。日本はドイツの1.5倍の人口を抱えていることを考慮しても、この数字はあまりにも高く、日本は認知症の最前線だ。

しかるに日本で認知症治療薬として処方される薬の効果は非常に疑わしい。薬を製造してる会社は、「薬を常用することにより、病気の進行を遅らせることができる。」という。しかしこれは初期の期間に限られる上、ひどい副作用がある。家族の一員として、すでに認知症に苦しんでる親にさらに強い不快感を引き起こす薬を飲ませて、さらに苦しめる事の意味を疑う。薬を服用すれば病気が治る、あるいは病気の進行が止められるなら話は別だが、うまくいっても「初期に限って病気の進行をある程度遅らせる事ができる。」という程度なのだ。効果が出ているのか、家族にも全くわからない。アルツハイマーというと決まって副作用の大きなこのような薬を処方する日本の医療は、患者やその家族ではなく、医師や製薬会社の利益を優先しているのではないのか。しかし幸いなことに、世界中の学者がこの病気の解決に日夜努力をしている。お陰で認知症の研究はかなり進んでおり、治療薬の発見も現実的になってきた。

認知症のおよそ2/3はアルツハイマー症が原因だという。アルツハイマーの場合、脳の神経末端にこびりつく"Plaque"と呼ばれる淡白質、医学用語では"Amyloide Plaque"、又は"Amyloidbeta-Proteine"と呼ばれる、が原因と考えられている。このタンパク質はデータの転送をブロックするだけでなく、脳細胞がこのたんぱく質の薄い層に覆われると、脳細胞は炎症を起こして次第に破壊され、最後には死に至る。そこでスイスと米国の製薬会社の科学者は、"Antikörper"(英:Antibody")と呼ばれる植物性タンパク質をアルツハイマー初期の患者、165人に対して1年間適用したみた。その結果、"Plaque"は明らかに減少して、思考能力の減少も最小限度に抑えられた。そして投与された"Antikörper"の量が多く、そして治療期間が長い患者は、大部分の"Amyloide Plaque"を取り除くことができたという

今後は臨床実験対象をを2700人に増やして、さまざまな患者に対して効果を見極める。仮にテストがうまく行っても、薬として認可されるまでのは「まだ数年かかる。」というので、過大な期待は禁物だ。それでもこれまでは実質上、治療方法がなかったことを考えれば、大きな進展だ。これまでのテストでは、アルツハイマーの初期段階の患者に対してのみ効果があったというので、すでに発病している患者、その家族にとっては、薬が出来上がっても役に立ちそうにない。ちなみに日本でもこの分野の研究はかなり進んでいる。日本の学者は、"Tau-Protein"(タオタンパク質)がアルツハイマーの下手人ではないかと疑っている。普段なら脳の中で成分の運搬の役目を果たすこのタンパク質が、認知症患者では組織が破壊されてばらばらになって、脳細細胞に蓄積しているからだ。これが蓄積されると"Amyloide Plaque"同様に脳細胞が破壊され、認知症を引き起こすと考えられている。どっちが本当の原因か、双方の病状に関係があるのかまだわかってないが、西欧では"Amyloide"が"Tau-Protein"の破壊に影響しているのではないかと考えられている。このため、"Amyloide"を取り除く"Anti-Körper"の発見に躍起になっている。

何しろ世界中でアルツハイマーの患者は5千万人近く、毎年、7百万人を超える患者が増えているので、薬の開発に成功すれば、アスピリンとビアグラに続く大ヒット商品になる。スイスの製薬会社、それに米国の製薬会社2社の合計3社は、最も効果的な"Antikörper"の開発にしのぎを削っている。しかし4~5年後に薬が出来上がった場合でも、海外で認可された薬が日本で認可されるまで、さらに4~5年かかることを考えると、日本のアルツハイマー患者の未来は暗い。日本の製薬会社にも、是非、頑張って欲しい。

最後にいいニュースがある。上述の通り、認知症の1/3のケースでは、アルツハイマーは原因ではない。他の病気が認知症を引き起こしている。脳には"NMDA-Rezeptoren"という脳の信号を伝達する働きをもつ細胞がある。健康な脳ではこの細胞は受けた信号を脳の必要な部署に伝達、脳は正常に機能することができる。ところが何かの理由で自身の免疫が"Antikörper"と呼ばれる蛋白質を製造、これが"NMDA-Rezeptoren"の脳との接合部分に入り込み定着、信号の伝達を妨げることで認知症が発病することをベルリンの病院、"Charité"の医師が発見した。以来、同病院では数年前から、このタイプの認知症の治療を行っている。

"Charité"によると、体が"Antikörper"を製造しているか、簡単な血液検査でわかるという。この"Antikörper"が検出された場合、透析をすれば血液の中の"Antikörper"の大半を取り除くことができる。透析後、症状は早期に改善される。ただしすでに"Antikörper"により脳に障害が起きてしまっている場合、この脳障害を直すことはできない。そこで何よりも大事なのは、「物忘れが多くなった。」と思ったら、「アルツハイマーだったらどうしよう。」と悩まず、体内に"Antikörper"が製造されているか、チェックしてもらうこと。早期に発見できれば、認知症が発病することなく、通常の生活を送ることができるからだ。ただしこの"Antikörper"は、透析後も免疫が引き続き製造するので、薬を飲んで"Antikörper"の発生を抑える必要があるが、認知症が発病することを考えれば、何でもないだろう。

日本でも同様の治療が行われているか不明だが、ドイツに滞在してドイツの健康保険に加入している人は、健康保険がこの検査、治療費用を持ってくれる。ドイツの医療も、まだまだ捨てたものではない。

認知症にかかった脳(左)と正常な脳
115.jpg



Garantie und Gewehrleistung Nr.2 (17.09.2016)

以前、同じテーマで記事を書いたものの、「結局、何処が違うの?」という方が多いのが現実。これをはっきり区別できる体験をしたので、もう一度取り上げます。去年買った車、車体は"Nanoversiegelung"(ナノ コーテイング)されており、雨が降ると屋根やボンネットに丸い水溜りが出来る。車が汚れても、洗車して乾かすだけで結構、綺麗。ワックスかける手間が省けて重宝。とは言うものの、ワックスの輝きには及ばない。そこで天気もいいので、初のワックスがけ。すると始めて気が付くことが多いです。例えば「BMWの鼻」の上の部分、「ペコペコ」と凹みます。そう、プラスチック。昔は全部メタル。軽量化のため?昔は乾燥重量1670kg。今のタイプは乾燥重量が1785Kgと、軽量化の努力空しく、100Kg以上も重くなってる。ちなみにマツダ6の乾燥重量は1480Kgで、ほぼ300Kgも軽い。道理で燃費が良かったわけだ。

ワックスをふき取る際、後部のバンパーに装着されている"Parksensor"(駐車センサー)が、「ポロリ」とバンパーの中に落ちてしまう悲劇が。固定されておらず、はめてあっただけ。「これは揉めるぞ。」とすでにブル~。日本なら、「まだ保障もあるし、明きからに欠陥なのですぐに直してもらえる。」と心配する必要はない(筈)。しかしここはドイツ。そんなに簡単に話が運ぶなら、"Betonkopf"(コンクリート頭)というドイツ人の異名は生まれていない。BMWの支店に行くと、「これは"Karosserieschaden"(車体損傷)なので、保険の対象外。」とBMWのドイツ人。そら見ろ!そう言うだろうと思ってた。「ちゃんと車を見ろ、何処に傷がある?」「ちゃんと車を作っていないのが原因で、車体損傷とは関係ない。」と言うも、「これは"Karosserieschaden"(車体損傷)なので、保険の対象外。」とBMWのドイツ人。まさにコンクリート頭。しかし、「修理を頼んだら、いくらかかるの。」と聞くと相好を崩し、「バンパーを外して金具を取り替えるので、200ユーロ程度は見積もっておけ。」と修理担当のドイツ人。「高いから他で修理に出します。」と言うと、明きからに残念そう。

明きからに車の不具合なのに、自費で修理するのは納得できない。こういうことがあるので、ドイツでの生活には弁護士保険が欠かせない。早速、電話で相談。すると弁護士曰く、「メーカーが任意で提供している"Garantie"(保障)は、メーカーが保障内容(対象)を自由に決めることができる。往々にして、起こりやすい故障は除外されているので、メーカーが保障外といえば、おそらくその通りだ。」との事。100%正確なことは保障証を読む必要があるが、書面のチェックを弁護士に頼むと1時間200ユーロ。1時間で終わることは滅多になく、2~3時間なんてザラ。被害総額200ユーロ(BMWの言い値)で、そこまでするのは割に合わない。「ところで車の製造年はいつ。」と聞いてくる弁護士。「2012年です。」といえば、何かひらめいた様子。これまでの面倒そうな声から、うって変わって生き生きとした調子に一変。「それならチャンスがある。」と弁護士。氏曰く、「メーカーは売った車がちゃんと機能するように"gewährleisten"(保障する)義務がある。」「部品がボロボロと脱落するのは車の欠陥なので、メーカーを"gewährleisten"(保障する)で訴えれば勝てる。」とすっかり€を目に浮かべてやる気満々の弁護士。

念のためここで再度、説明しておこう。日本で言う"Garantie"(保障)は、ドイツではメーカー側の任意のサービスだ。その一方で、"Gewährleistung"は法律で決められている消費者の権利で、新品の製品には2年間の"Gewährleistung"が条件になっている。ただし購入後、6ヶ月目までに不備が見つかった場合は、売り手の費用で修理しなければならない。ただし例外もある。この不備は購入後に、買い手の不適切な使用で発生したと売り手が証明できる場合、売り手はこの義務から解放される。問題はこの6ヵ月を過ぎてから。この時点でも"Gewährleistung"は有効ではあるが、この保障を利用するには、製品の不備が購入の時点ですでに存在していたことを買い手が証明しなくてはらない。中古車の場合、デイーラーには1年間の"Gewährleistung"を行う義務がある。すなわち6ヶ月以上経っている(しかしまだ1年以内な)ので、こちらがこの落ち度が最初からあったことを証明しなくてはならない。具体的には鑑定士にバンパーを鑑定してもらい"gutachten"、その鑑定書"Gutachten"を根拠にBMWを"Gewährleistung"の義務で訴えれば、勝てるというわけだ。

弁護士保険で弁護士費用と裁判費用はカバーされるが、鑑定費用は含まれない。そしてこの鑑定費用は安くない。簡単な鑑定書でも100~200ユーロもする。早い話が、BMWを"Gewährleistung"で訴えれば勝てて気持ちがいいが、特をすることはない。これに費やされる時間と手間を考えると、割に合わない。弁護士にその旨伝えると、「では"Mediation"を試してみよう。」という。これは弁護士が争いの相手方と連絡を取り、法的な状況を説明、裁判所を通さずに和解でトラブルの解消を努める方法だ。関係者が直接、「言い合い」をする場合と異なり、弁護士が法的な根拠を挙げて説明すると、裁判になった場合には分が悪いことが相手に伝わる上、こちらが弁護士保険に入っているので、訴訟も辞さないことが伝わり、相手も聞き分けがよくなる。そこで車を買ったBMWの店頭名、販売人の名前、連絡先を伝えて、この"Mediation"で解決を図ることにした。

数日後、弁護士から連絡があり、「先方が話したいと言っている。」との事。電話するとBMW支店のセールス部長。同氏曰く、「暴力なくしてセンサーが外れることはない。車をぶつけたんじゃないか。」と案の定、客の責任にしてくる。BMWの弁護をすると、これはBMWに限ったことではない。ドイツ人はいつも決まって同じ反応をする。そこで証明の写真を送り、「どこに損傷があるか説明してくれ。」と言うと、「駐車センサーが簡単にポロリと落ちるようなことはない。」と回答を避ける。「ちゃんと取り付けていないから、簡単にポロリと落ちるんだよ。明きからに"Gewährleistung"の対象だろう。」というと、少し納得した様子。「車を持ってきてくれれば、無償で修理する。」と譲歩してきた。もっとも車は300kmも離れた町で買ったので、「はい、明日行きます。」というわけにもいかない。それに往復すると1日無駄になる。「こちらにあるBMWで修理させてくれ。」と言うも、それはできないという。BMWの支店と言え、これを経営しているのは個人で、BMWと契約して車を販売しているだけ。他の店で修理した修理費を持ちたくないというのは、理解できる。

「こちらのBMWで聞くと、バンパーを取り外して金具を交換すので200ユーロも修理費がかかるといっている。」と言うと、"Ach, Paparapa!"(意訳すると「そんなのは大嘘!」という意味。)とセールス部長。同氏曰く、「バンパーなんか取り外さなくても、車を"Hebelbühne"(修理台)に上げて下から腕を伸ばせばセンサーが拾えるから、接着剤をつけてはめるだけ。10分でできる。」との事。「それなら近くにある修理工場で修理させます。」と先方の申し出を断って、ジムの近くにあるトルコ人経営の修理工場に車を持ち込んだ。「BMWはバンパーを外さなくても、下からセンサーが拾えると言ってる。」と言うも、「本当にできるかどうか、やってみなくちゃ保障はできない。」という。2時間後、「どうだった。」と聞くと、「外さなくても修理できた。」との事。アウグスブルクのBMWの言う、「バンパーを外して、金具を交換して、、。」云々は、修理費を高くする目的の嘘です。BMWに修理に車を持ちこむ方は、用心されたし。「お幾ら?」と聞くと、「20ユーロくれたら嬉しい。」とトルコ人。20ユーロ札を出すと、彼のポケットに消えた。接着剤で取り付けるだけで20ユーロは高い気もするが、BMWに比べれば同じ作業が1/10のコストだ。

修理工場で順番を待っていると、「車からおかしな音がする。」と初老のドイツ人が相談に来た。症状を聞いたトルコ人曰く、「それはブレーキの錆だよ。」と言い、「車はVWでしょ。」という。「ゴルフだ。」とドイツ人。興味を持って話を聞いていると、「VWのブレーキは錆びる。」との事。一度錆び始めたら、錆びをとってもすぐに錆が戻ってくるので、取り替える以外に方法がないという。関係ないのに、「VWのブレーキってそんなに錆びるの?」と聞けば、「VW特有の病気。」との事。トヨタ同様に、コスト管理が厳しいVW。部品を届ける下請け会社に、「安くしろ」と圧力をかけているので、品質が下がっているようだ。BMWは平気で嘘をつくが、そこまではひどくない?

こういう話を書くと、「ドイツの車は客扱いがひどいから、日本の車にしよう!」と思われるかもしれない。しかしドイツ人が販売店を経営する限り、日本の車を買っても同じ体験をすることになる。マツダの新車でエンジンの損傷があったが、販売店は保障修理を拒否、ドイツのテレビで全国放映されていた。ドイツで生活するには、弁護士保険は欠かせない。プライベート、交通、賃貸関連をカバーする保険が年間で200~240ユーロ程度する。もっと安い保険もあるが、「困って電話しても通じない。」会社は安い。それでは役に立たないので、使える弁護士保険はその程度かかる。知り合いのドイツ人は、「雪かきをしていないので、お前の家の前で転んで怪我をした。」と訴えられて、裁判費用、弁護士費用で数万ユーロ払ったと言う。他の場所で転んでも、「お前の家の前で、、。」と責任を押し付けてくるのがドイツ。そんなときに助かるのが弁護士保険です。「弁護士保険の数百ユーロで済むなら安いものだ。」という彼自身、「要らない。」と数百ユーロを節約したばかりに、数万ユーロも払う結果になった。ドイツ生活の税金だと思って、加入しておきましょう。


BMW曰く、「修理代200ユーロ。」
114.jpg